2017年09月01日 1491号

【1491号主張 朝鮮危機扇動を許さない 戦争挑発の安倍政権打倒】

挑発を続ける米日政府

 東アジアの軍事緊張がかつてなく高まっている。いうまでもなく朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)金正恩(キムジョンウン)政権のグアム近海へのミサイル発射計画は厳しく非難されなければならない。だが、意図的に朝鮮を国際的孤立に追い込み軍事的包囲で威嚇しているのはトランプと安倍だ。

 8月8日、トランプは朝鮮に対し「世界史に類をみない炎と怒りで報いを受けるだろう」と挑発。これを受け朝鮮は翌9日、ミサイル発射計画を発表した。中国やロシアは米国に慎重対応を呼びかけ、独メルケル首相は「軍事的な解決策はない」と表明。韓国文在寅(ムンジェイン)大統領は、「朝鮮半島で再び戦争の惨状が繰り広げられるのは決して容認できない」とトランプに明言した。

 しかし、安倍政権は真逆である。「朝鮮脅威」を声高に叫び、「さらなる行動を。トランプ大統領と完全に一致」と戦争法発動、集団的自衛権行使に動き始めた。10日、小野寺防衛相は「(朝鮮のミサイル発射は)存立危機事態にあたる」と答弁し、12日、島根、広島、愛媛、高知の4県に迎撃ミサイルPAC3の配備を開始。18日には、中四国9県202市町村を巻き込みJアラート(全国瞬時警報システム)訓練を実施した。まさにトランプと共に戦争する構えなのである。

 8月21〜31日の米韓合同軍事演習は6万7500人を動員する。米原子力空母や原潜、イージス艦、ステルス戦闘機、戦略爆撃機を投入し、金正恩暗殺の「斬首作戦」訓練まで行うとされる。自衛隊も連動して動く。一つ間違えば戦端を開きかねない大軍事演習強行こそ最悪の挑発行為であり、中止させなければならない。

戦争拒否する民衆意思

 8月9日、長崎原爆忌で被爆者五団体の代表は、安倍に対し核兵器禁止条約への日本の不参加について「あなたはどこの国の総理ですか」と痛烈な言葉を浴びせた。

 12日、辺野古新基地を造らせない沖縄県民大会には4万5千人が参加。翁長(おなが)知事は「民意はいささかの揺るぎもない。私の責任で必ず辺野古埋め立て承認を撤回する」と決意表明し、安倍政権を厳しく批判。「子孫(くゎうまが)のために、先祖の思いを(うやふぁーふじぬうむい)胸に刻み(ちむにすみてぃ)、命の限り頑張りましょう(ぬちかじりちばらなやーさい)」と結んだ。

 被爆者や沖縄県民をはじめ戦争につながる一切を許さぬ人びとの意思は脈々と引き継がれ、安倍暴走の下でいっそう強固になっている。命の限り≠ニ声上げるこの闘いが、自らの政権延命のために危機をあおり戦争挑発を繰り返す安倍・トランプにくじかれることなど決してない。

新署名広げ即時退陣へ

 安倍の下で戦争国家作りは一気に進んだ。2013年秘密保護法を制定。14年、防衛装備移転三原則で武器輸出を解禁。15年、戦争法を強行し、武力行使可能となった自衛隊を南スーダン派兵。今年は共謀罪法を強行し、朝鮮危機で戦争挑発を進めている。

 今すべきことは、安倍を即時退陣させることだ。戦争挑発を封じ、平和を求める沖縄、アジアの民衆と連帯し、朝鮮との交渉、対話によって東アジアの緊張緩和、非核化を前進させなければならない。ZENKOの呼びかける安倍政権即時退陣署名を地域に大きく広げ、運動の力で安倍を打倒しよう。

   (8月19日)
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