2017年09月08日 1492号

【みるよむ(451) 2017年8月26日配信 イラク平和テレビ局in Japan 安倍政権打倒こそ国際連帯の勝利 ―サミール・アディルさんインタビュー】

 イラク平和テレビ局in Japanは、2017ZENKO in 東京に参加したサミール・アディルさん(イラク労働者共産党)にインタビューを行った。サミールさんは、戦争と排外主義に反対する国際連帯の戦線を強めること、安倍政権打倒こそが国際連帯の勝利であることを訴えた。

 まず伝えたのは、IS(「イスラム国」)掃討を名目にした対市民攻撃の実態だ。イラク北部モスルを「解放」するとして米軍は無差別爆撃を続けた。「1回の爆撃で500人の罪もない人びとが殺された」と言う。モスルから脱出した人たちは100万人に及び、政府軍はスンニ派の市民をISを支持したとして誘拐、拷問、処刑した。

 モスル難民に救援の手をさしのべているのは市民のNGOだ。サミールさんたちと友党関係にあるクルディスタン労働者共産党が中心となって、清潔な水や食料衣服などを提供している。難民への差別を許さないキャンペーンにも取り組んでいる。こうした市民の取り組みは世界でも日本でもほとんど知られていない。

 戦争と差別・排外主義に苦しむ中で、社会を変革する闘いも進んでいる。

 大学の授業まで男女を分離する、女性にイスラム風服装を強制する、主要科目をイスラム教シーア派の講義に変えるといった教育支配が強まっている。これに対し、学生たちが反対運動を展開している。また、福祉や社会サービスを切り下げる緊縮政策に反対し、石油産業や建築産業、地方自治体で労働者が運動を開始している。

安倍はファシスト政権

 サミールさんたちは運動をたばね、その架け橋となって民族主義でも宗派主義でもない政教分離の政府を実現する運動を進めている。

 特に強く訴えるのは、戦争とテロに反対する国際連帯の戦線を作ることだ。イラン、サウジアラビア、他の湾岸諸国、エジプト、チュニジア、シリアの労働者の国際大会を準備したいと抱負を述べる。

 「安倍政権はファシスト政権であり、憲法改悪を狙い、海外に軍事力を派兵しようとし、核武装を狙っている」と見るサミールさん。全交が「すべての分野で一つの目標、安倍政権打倒」に絞られていたことの重要性を強調する。「今年の全交の目的である安倍政権打倒は国際連帯の目標」というメッセージは、日本の私たちが実現していく展望と確信を与える。

(イラク平和テレビ局in Japan代表・森文洋)



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