2017年09月08日 1492号

【避難者親子とともに青空のびのびプロジェクト 子どもも親も解放された3日間】

 8月11〜13日、京都府京田辺市野外活動センター「竜王こどもの王国」で、福島原発事故から避難している親子を交えたキャンプ「青空のびのびプロジェクト」が行われた。事務局を担った子ども全交関西実行委員長の松昌子さんに報告を寄せてもらった。

 2012年からスタートした青空のびのびプロジェクトは今年で6回目。総勢77人が集まりました。いつもサポートに駆け付けてくれる子ども全交OBのお母さん、駅からキャンプ場までピストン配車を引き受けてくれる仲間、ボランティアサークルの大学生。たくさんの協力に助けられて続いています。

好きなこと―再稼働反対

 今年は、3分の1の方が避難者親子です。毎回初めての出会いもありますが、「楽しかったので今年も」と参加される親子が何組も。お盆休みと合わせて、お父さんが夜行で母子避難の家族と合流したところもありました。

 オープニングは、子どもたちがうちわの両面に名前と好きなこと(もの)を書いて自己紹介。避難者の小学5年生が、躊躇(ちゅうちょ)しながらも「好きなこと『再稼働反対』」と紹介したそうです。指導員が「えらい! ここでは、ほめられるんだから」と応援。その話をお母さんにすると、学校では神経質にならざるを得ずなかなか思いを受け止めてもらえないことを打ち明けてくれました。

 大人は、子どものプログラムと並行して恒例となっている医療問題研究会医師の講演「(1)明白な甲状腺がん異常多発と健康障害の進行 ─ 障害の調査と避難の保障を─」「(2)福島原発事故後、流産・乳児死亡率、周産期死亡率が増加―ドイツ・日本の共同研究で明白に!―」、そして交流会を行いました。夏のキャンプ!≠ニ思って参加したお母さんの中には少々面食らった方もいましたが、初めて聞く避難者の生の声、3・11は今も続いていることを知る貴重な機会になりました。

ありのまま自分を出し

 大人も子どもも包み隠すことなくありのままの自分を出して交流し、一緒に楽しむことがこのキャンプのよさだと思います。

 「避難者だけでなく、獅子舞や和太鼓、地域の親子と一緒のキャンプがよかった」と避難者の一人。「子育ては課題が山積みですが、自分が楽しむことも大切と思って」と参加した母子避難のお母さんは「こういう場があって本当に助かった」と感想を寄せています。

 キャンプファイヤーでは「みんなで歌って、みんなで踊って。懐かしく楽しかった〜!」と大人たちも子ども以上に楽しみました。

 子育て対策や貧困の問題は一向に改善されないのに、子育ては親の責任≠ニあたかも社会規範であるかのように言われます。これでは親は疲弊してしまいます。キャンプで出会った人たちと一緒に、子どもも親も解放される楽しい取り組みや子育てで繋がっていきたいと思います。

 また、医療問題研究会の医師と取り組む避難者子ども健康相談会おおさか(9月18日<休・月>ドーンセンター、大阪・天満橋駅)は、健康被害の進行が明白になる中、ますます重要な役割を持っています。午前のセミナーは、どなたでもご参加ください。

《問い合わせ》
tel 090-7096-4719/mail osaka.soudankai@gmail.com

(子ども全交関西実行委員長・松昌子)





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