2017年09月08日 1492号

【ヘリパッド使うな オスプレイ飛ばすな/共同使用許さないと高江住民らが防衛省交渉】

 沖縄・高江の「ヘリパッドいらない」住民の会と国頭(くにがみ)・東(ひがし)・大宜味(おおぎみ)3村の島ぐるみ会議の代表らは8月22日参院議員会館で、米軍北部訓練場・オスプレイパッド問題に関する防衛大臣宛ての要請書を提出。1時間半近くにわたって防衛省担当者と交渉した。

 新たに造られたヘリパッドでは7月11日からオスプレイの離着陸が始まっている。約束していた地元自治体への事前通告はなかった。ヘリの夜間訓練も増え、夜10時過ぎ、さらには深夜11時半頃まで飛行する異常な毎日が続く。騒音に耐えかね、高江から転居せざるを得なくなった家族はこの1年で2世帯11人にもなる。要請書には、米軍に対しオスプレイの運用中止や夜間訓練・集落上空飛行の禁止を求めることなどに加え、北部訓練場の全面返還に向けた計画を明らかにすることも盛り込んだ。

 防衛省側は9人が出席。「ヘリパッドの運用にあたっては地元への影響が最小限にとどまるよう米側への申し入れを続ける。米軍と緊密に調整していく」「騒音については政府として継続的な把握に努め、必要に応じて米側に配慮を求めていく」といった空疎な答えを繰り返す。

 沖縄防衛局が7月26日に高江で実施した騒音調査についても「結果は現在精査中」。住民の会の伊佐育子さんは「1日だけの調査では住民に対しとても失礼だ。あの日みなさんが来たときは集落の上をオスプレイもヘリも飛ばなかった。住民がどんなに騒音で苦しんでいるか一切伝わらない。いま北部訓練場では1日1775万円の警備費が湯水のごとく使われている。一方、騒音調査はたった1日、調査員は2人だけだった」と追及した。

 北部訓練場全面返還をめぐって防衛省側が「地元の声を受け止め、引き続き負担軽減に全力を尽くす」としらばくれたのに対し、伊佐さんは「G地区では宇嘉川河口の海からの上陸訓練が始まろうとしている。今までにない訓練だ。負担軽減といえるのか」と迫る。沖縄平和市民連絡会の北上田毅さんが「全面返還に向けたスケジュールはあるのか」と問うと、「現時点ではない」と明言。島ぐるみ会議・東の當山全伸さんは「60年間も基地の被害に苦しめられ、なおかつこれから何年先基地と共生させられるのか」と怒りをぶつけた。

 交渉では、自衛隊に北部訓練場を使用させないことも求めた。防衛省側は「これまで北部訓練場で陸上自衛隊の隊員が計13回の研修を行った。海兵隊から密林環境下におけるロープを使った移動の仕方や地図の読み方を教えてもらっている」と明らかにした。

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