2017年09月15日 1493号

【1493号主張 朝鮮の核実験強行糾弾 戦争あおる安倍打倒】

戦争挑発合戦やめよ

 8月29日の弾道ミサイル発射に続き9月3日、朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)は6回目となる過去最大の核実験を強行した。ミサイル発射以上に強烈な軍事挑発であり、東アジア和平の流れに逆行する蛮行を強く非難する。

 米トランプ大統領は「(対話は)解決策ではない。あらゆる選択肢を排除しない」の姿勢で、核実験には「敵対的で危険」と強調。マティス国防長官も「大規模な軍事行動」の構えに言及した。

 安倍首相は「より重大かつ差し迫った新たな段階の脅威だ」と外交の手詰まり感を演出し、石油禁輸を含むより強い圧力を朝鮮にかけるという。

 だが、軍事的解決などありえない。たとえ限定≠ニ呼ぼうと、軍事攻撃が行われれば、殺され犠牲を強いられるのは市民であることは、イラクやシリア空爆の事実が示す。絶対に軍事行動に至らせてはならない。対話、6か国協議の再開で東アジアの緊張緩和、軍縮を主張することこそ、日本の果たすべき役割だ。

危機扇動で疑惑かくし

 にもかかわらず安倍は自らも圧力をかけ、軍事挑発を行っている。危機をあおって大軍拡を正当化し、落ち込んだ支持率回復と世論の戦争政策への同意取り付けを狙う。

 ミサイル発射に際し、役立たずのJアラート(全国瞬時警報システム)を発動し、一部では馬鹿げた緊急避難訓練まで行っている。日本上空を超えてミサイルが発射されたことは過去に4度あり、1998年は今回同様事前通告もなかった。脅威が突然格段に上がったわけではない。まして、直接的な危険性の高い原発や基地周辺では避難訓練もせず、今回も米軍横田基地や横須賀基地を抱える東京・神奈川などにはJアラートを適用しなかった。危機扇動は全くの茶番でしかない。

 日本のメディアの騒ぎ方は異常だ。領空をかすりもせず、はるか宇宙空間を飛んだミサイルに大騒ぎし、安倍の「我が国に発射」というでたらめコメントを垂れ流す。

 安倍は、米朝戦争挑発合戦をあおりたてることで、市民を脅し、自らの疑惑をごまかし、戦争・改憲路線への合意形成を取り付けようとしているのに他ならない。

改憲狙う安倍即時退陣

 安倍は内閣改造し、森友・加計(かけ)疑惑の幕引きに必死だが、疑惑に対し何の説明もしていない。政治の私物化、居直りを許してはならない。

 街頭では「戦争だめ、加計疑惑、あんな人(安倍)イヤ」「反省してるんです、政治に興味なかったこと」と安倍の横暴を市民の力で止めようという思いがあふれている。安倍即時退陣署名や新たに呼びかけられる9条改憲阻止3000万署名を手に、街頭で対話を広げよう。マスメディアの垂れ流すウソを暴き、改憲誘導を阻止しよう。

 政府の軍拡路線を止める市民の闘いが重要だ。朝鮮、中国脅威扇動の中、沖縄新基地建設阻止、南西諸島への自衛隊配備・増強阻止の闘いもいっそう重要性を増している。

 トランプ、安倍、金正恩(キムジョンウン)の戦争挑発合戦を許さず、東アジアの平和を求める多くの民衆とともに闘おう。安倍の行く道は破滅の道だ。これ以上国政のかじ取りを任せてはならない。ただちに打倒しなければならない。

   (9月4日)
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