2017年09月15日 1493号

【みるよむ(452)2017年9月2日配信 イラク平和テレビ局in Japan 安倍・トランプ政権にNO! ―ペニーさん(IVAW)インタビュー】

 イラク平和テレビ局inJapanは2017ZENKOに米国から参加したIVAW(反戦イラク帰還兵の会)のペニー・デックスさんにインタビューをした。

 ペニーさんが19歳で陸軍に入隊した動機は、大学の教育を受けて安定した暮らしができるからであり、「本当の英雄」である兵士を助けるためだった。彼女は「正しいことをしている」と確信していた。

 ところが薬剤師としての病院勤務で、帰還した兵士からイラクとアフガニスタンにおける米軍の戦争の実態を教えられる。米軍は「家々を荒らし回り、たくさんの市民を車でひき殺していた」。彼女自身は戦場に派遣されなかったが、米軍こそがテロリストであり、自分もその戦争マシーンの共犯者であることに気づかされる。

 仕掛け爆弾によって死んだ同僚、自分の負傷、何の罪もない市民を虐殺した戦場の体験が頭から離れないのだろう。「急に怒って飛び出したり、薬を乱用したり、アルコールにおぼれたり」という負傷兵士が続出する。与えた薬を使って自殺してしまった兵士もいた。

 ペニーさんは、イラク、アフガンでの戦争に疑問を表明する。そんな彼女に対し、上官は個人攻撃を始めた。「村八分にして弱みにつけ込む。ついには虐待され、暴行を受け、罵詈雑言を浴びせられる」というやり口が続く。

 彼女は、PTSD(心的外傷後ストレス障害)やうつ病を発症し、3回も自殺を試みるまでに追い詰められる。2008年にかろうじて除隊した彼女は自暴自棄な生活を送るが、周囲の目は「自発的に軍隊に入ったのじゃないか」という冷たいものだった。

「君は1人ではない」

 ペニーさんを救ったのがIVAWだ。たまたまメーデー集会に参加した時、IVAWメンバーが「君は1人ではない」と言ってくれた。IVAWが「反撃し真実を語る道を与えた」のだ。今、ドロップ・ザ・ミック(軍産複合体を打ち倒せ)など、帰還兵士の中で反戦運動を広げている。

 今回、全交に参加して「署名を集め続け、仲間を集め続けましょう」と大きな共感を示す。「トランプの最高の友人、安倍首相を倒す闘いを続けましょう」「憲法9条を守りましょう」と訴える。

 アメリカでは、IVAWなどがトランプ大統領の戦争と差別・排外主義を許さない闘いに立ち上がっている。日本から安倍政権を打倒し憲法改悪を許さない闘いで連帯しよう。

(イラク平和テレビ局in Japan代表・森文洋)



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