2017年09月22日 1494号

【みるよむ(453)2017年9月9日配信 イラク平和テレビ局in Japan 日韓の市民の連帯で 改憲と戦争にNO!】

 今回は、2017ZENKOin東京の第1分科会に参加した軍縮平和日韓共同行動のユ・ミヒさんとビョン・ヒョンジュさんの発言を中心に見ていただく。

 ユ・ミヒさんは、まず1987年の民主化闘争以来の韓国の学生、農民、労働者、市民の闘いの歴史を概観する。自ら直接担ってきた闘いでもあるが、韓国では文字通り「何百、何千、何万人もの命をかけた闘い」で政治的民主主義を勝ち取り、労働者の生活も一定の向上を実現してきた。

 昨年から今年にかけての「キャンドル革命」によってパク・クネ(朴槿惠)政権が打倒され、現在のムン・ジェイン(文在寅)政権ができたが、ユ・ミヒさんは、資本主義社会の問題点は根本的には変わらないと指摘する。

 韓国では年収1千万円の大企業の労働者がいるがそれは全体の1割程度で、多くは非正規労働者だ。また、ムン・ジェイン自身が政権中枢にいたノ・ムヒョン(盧武鉉)政権の時に、韓国はイラク占領軍を派兵している。

 ユ・ミヒさんは現在の韓国の中で、資本主義社会の支配に対抗するメディアと教育、文化・芸術が重要な役割を果たすと指摘する。彼女たちは対案文化センターを作ろうとしている。そこで植民地支配の時代や民主化闘争の歴史、グローバル資本の利益優先の事件などを「記憶の部屋」で展示する。非資本主義的にどのように生きていくべきかを学び議論する場を作ろうというのである。

 現在、朝鮮半島の軍事対立があおられ、ムン・ジェイン政権も以前は反対していたTHAAD(高高度ミサイル防衛システム)を強行配備し、大幅な軍拡を進めるに至っている。ユ・ミヒさんは済州(チェジュ)島の韓国海軍基地反対運動や星州(ソンジュ)のTHAAD配備反対闘争、原発反対運動に参加してきた経験を踏まえて、基地問題や原発問題は韓国だけの問題ではないと主張する。そして、「資本主義が膨張している状況に反対する国際連帯運動」を訴える。

 ビョン・ヒョンジュさんは釜山(プサン)の日本領事館前で日韓軍事協定反対行動を担い、全交の改憲反対署名に取り組んできたことを報告。「安倍が取り組んでいる改憲の問題は、日本だけの問題ではなく、韓国の民衆の生活にもつながっている」と訴える。

 グローバル資本の戦争と格差拡大に対する闘いには日韓民衆の国際連帯が重要であることを伝える映像である。

(イラク平和テレビ局in Japan代表・森文洋)



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