2017年09月22日 1494号

【大阪府交野(かたの)市 問題だらけの星田北土地区画整理 市税30億円の無駄づかい 巨大倉庫群誘致に変ぼう】

 大阪府交野市で始まった「星田北土地区画整理事業」。住民無視、問題だらけの事業に市民の批判が広がっている。星田北開発を考える市民の会・松村宣彦さんに報告を寄せてもらった。

 事業を一言で言えば、大手スーパー、イトーヨーカ堂に逃げられ、業者の言いなりになっているうちに「にぎわいのある町づくり」の目標から大きく後退し、24時間トラックの行きかう巨大倉庫の町になる可能性が出てきたというものだ。

 JR星田駅と第二京阪高速道路にはさまれた45ヘクタールの広大な土地について、「土地区画整理」の名目で農地が埋め立てられ工場と宅地に変えられようとしている。

 問題点を整理すると、第1に、区画整理北側でイトーヨーカ堂が出店せず、「にぎわいのある町」がなくなり、巨大倉庫群が出現するおそれがあること。第2に、無駄な区画整理内の市道建設費用を交野市が負担。さらに枚方市まで延伸して、枚方市内の建設費まで交野市が負担する計画であること。第3に、現在交野市の総負債額が488億円である上に、さらに30億円以上の負債増となり市の借金を増やすこと。そして一番問題なのは、区域内に住居を持つ住民、農地を持つ農業従事者を切り捨てようとしていることである。

 区域内の住民は望みもしないのに今の住居を追われる。農業従事者は将来も収入が半減し、工事中5年間は休業しなければならない。すなわち農業をやめろということである。

開発業者にすり寄る交野市

 問題は、一部地権者の利益を言い訳にして開発業者にすり寄る交野市にある。

 これまでの交野市の姿勢は、業者言いなりの利権擁護ともいえるものだ。

 かつて、イトーヨーカ堂の注文どおり、市道星田高田線を廃道にして別の市道を新設をするとした交野市は、同社の撤退後も廃道に固執している。市道新設となれば、交野市から30億円、国から同額の30億円、計60億円が補助金として降りてきて、土地区画整理事業を独占的に請け負う大林組、戸田建設には大きな利益が転がり込むことになる。

 交野市は、市民に対して、イトーヨーカ堂の「出店意向書」をスミヌリで公開するなど、知らせるべき情報を秘密にしてきた。今年7月まで、新しい町づくりと言いながら、何の情報も知らせてこなかった。

 交野市の市民無視の市政を改めるために、問題を感じている地権者と共に、星田北開発を考える市民の会が活動を始めた。来年の、区画整理組合を府が認可することのないよう市民に呼びかけていくつもりだ。

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