2017年09月22日 1494号

【議会を変える 京都府向日(むこう)市議 杉谷伸夫 平和解決願う市民の思い議会へ】

 現在、各地の自治体議会は定例議会のまっ最中です。この時期に決算審査が行われ、2〜3月の予算審査の時期とともに、一番大変な時期です。

 向日市議会では、この8月に各議員が所属する常任委員会が変わりました。私はこの議会から、最も多くの予算を執行する厚生分野(福祉・衛生関係)を初めて担当することになりました。いきなり決算審査のため、不慣れな分厚い資料とにらめっこして四苦八苦しています。

 朝鮮のミサイル・核問題で今、世間は大騒ぎです。「北朝鮮からミサイルが発射された模様です。頑丈な建物や地下に避難して下さい」の警報に、大きな違和感を感じた方は多いでしょう。電車を止めたり、学校を休校にしたり、避難訓練を始める自治体も出てきて、まるで戦時中の空襲のようです。全くバカバカしいと思いますが、それだけでは済みません。いくら不合理なことでも、不安が過剰に煽られ、攻撃に備える動きに対して異を唱えることが憚(はばか)られる雰囲気が徐々に作られようとしています。私はこんな時こそ多くの市民が心に思っていることを正面から発信することが必要だと思いました。

 そこで私は、毎月初めに向日市民に配布しているニュース「杉谷ひろば」の1面で、「常軌を逸した北朝鮮ミサイル騒動―軍事力でなく対話による解決を!」と題して、安倍政権の対応を全面批判する主張を載せました。普段は余り意見を頂くことは少ないのですが、今回は「私が思っていたことがその通り書かれていてスッキリした」という電話や、激励のメールが寄せられました。同じ気持ちでいた市民の思いを代弁できて良かったと思います。

 そんな最中に、向日市議会に「北朝鮮の核実験を断固糾弾する」意見書提案の動きが出てきました。各地の議会でも同様の動きがあるようです。もちろん核実験は無条件に断固糾弾されるべきで、異論はありません。しかし朝鮮を非難するだけなら、さらなる圧力強化を求める風潮に加担することになってしまいます。互いに挑発をくり返し、最悪の緊張状態を招いた米トランプ政権とそれを全面的に支持してきた日本の安倍政権に対しても、軍事挑発をやめるよう求めるべきです。

 議会には、朝鮮に対する軍事圧力の強化を求める議員も多数います。そんな中で、朝鮮を「懲らしめる」のではなく、平和的な解決を願う多くの市民の思いを表した意見書として可決することができないか、これから議会後半にむけて頑張りたいと思っています。9月19日の本会議最終日に、その結果が出ます。
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