2017年09月29日 1495号

【1495号主張 衆議院選挙に勝利し 安倍内閣・改憲を葬り去ろう】

改憲再構築狙う冒頭解散

 安倍首相は9月17日、臨時国会(9/28開会)冒頭に衆議院を解散する意思をメディアに示した。10月22日にも投開票と報じられている。

 冒頭解散にかける安倍の意図は何か。東アジア情勢の緊迫の下で内閣支持率が回復していること、民進党が混乱し選挙態勢が整っていないことを踏まえ、森友・加計(かけ)疑惑を覆い隠したままここで解散。議席を減らしても日本維新の会、民進党離党者、小池グループなどを含めて憲法改正発議に必要な3分の2以上の議席を確保し、改めて改憲に突き進むというものである。

 安倍は、都議選敗北の事態を挽回しなければ公明を含めて改憲に進むことはできず、今であれば改憲可能議席を確保できると考え、解散に踏み切ろうとしている。

 内閣支持率の回復をもたらしたのは、東アジアの軍事緊張激化である。朝鮮のミサイル発射、核実験とそれに対する米韓軍事演習、トランプの戦争挑発への安倍の突出した支持によって異常な緊張状態が東アジアに生じている。安倍は、上空770`の宇宙空間を飛び日本から2000`も離れて落下したミサイルを危険とし、全国瞬時警報システム(Jアラート)を発動した。市民の生命を守るには全く役に立たない「建物に避難を」と指示し鉄道まで止めるのは、市民に朝鮮への恐怖感をあおって軍事力強化を支持させるためだ。安倍は、金正恩(キムジョンウン)の挑発を好機と捉え、強硬姿勢をとる自らへの支持、自衛隊明記の9条改憲支持へ取り込もうと狙っている。

対話以外に道はない

 米国と日本は、制裁強化、軍事挑発強化により金正恩政権をつぶそうとしている。軍事力をもてあそぶ米朝日の戦争屋たちに、東アジアの未来を任せてはならない。

 6か国(中、朝、日、韓、露、米)による協議の再開によって平和と非核化への道が開ける。全世界の平和を求める人びととともに戦争路線に反対し、平和を獲得しなければならない。THAAD(サード)(高高度ミサイル防衛)、巡航ミサイル・トマホーク、新システム「イージス・アショア」など軍備拡張に反対しなければならない。日本と韓国の核武装を許してはならない。

 選挙では、東アジアの平和は対話でしか獲得できないことを強調しなければならない。

運動で市民・野党共闘を

 安倍による核・ミサイル危機の脅しを許さず、民進党の混乱を乗り越えるのは、安倍打倒、改憲阻止の市民運動の力だ。民進党・前原が共産党との共闘に消極的でも、市民の力で共闘を成立させることができるし、また絶対に実現しなければならない。

 MDSは衆議院選挙を全力で闘う。市民・野党共闘候補の当選のためにあらゆる運動を行う。共闘が成立しない選挙区では改憲阻止を明確に掲げる候補に投票する。改憲勢力の議席を3分の2未満に抑えるならば、改憲発議は阻止できる。改憲が使命の安倍を退陣させることができる。

 選挙運動と同時に、安倍退陣署名、9条改憲反対3000万人署名を広げ、市民に働きかけ、共闘候補への支持を作り出さなければならない。

 この衆院選は、戦争か平和かの岐路の選挙である。全力で闘いぬき、民主主義的社会主義へ前進しよう。

   (9月18日)
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