2017年10月20日 1498号

【『標的の島 風(かじ)かたか』 関西各地域で上映会 署名と結んで広がる出会い】

 沖縄・南西諸島で進む状況とそこに生きる人びとを描いた三上智恵監督『標的の島 風かたか』。その上映会が関西各地で連続して行われた。地域で大きな反響をよんだ大阪・茨木市、枚方(ひらかた)市の報告を寄せてもらった。

茨木 宣伝でつながり期待の声 共闘の服部候補も来場

 憲法いかそう茨木市民の会がよびかけた上映実行委員会は、9月24日の上映会にむけて市内に3万枚以上のチラシを戸別配布し、街頭の署名活動と合わせて大宣伝。ポスティングした団地に住む男性から「沖縄の東村(ひがしそん)の生まれ。自分の村のことなのでぜひ見に行きたい」とチケット申し込みの電話が入り、初めてつながった人からも期待の声が寄せられました。

 当日は3回上映で130人の入場者があり、茨木市の上映会ではかつてない広がりとなりました。上映前後の三線(さんしん)の演奏と島歌で会場は盛り上がります。全交沖縄の比嘉勝子さんが辺野古の現状を報告し、「運動する県民をあきらめさせようとするやり方。毎日ゲート前に200人が集まれば、工事を中断させることはできる」と連帯を呼びかけ。大阪9区の野党共闘予定候補、服部良一さんも駆けつけ、「沖縄の基地をなくすためにも安倍の政治を変えるしかない」と、衆院選と結んだ闘いを訴えました。

 参加者の感想も「テレビ、ネットでは全然わからない現実に驚きました。他国の出来事のようでした。今の政府の政治は、とても民主主義ではなく、ファッショ政治。もっとマスコミが報道してほしいです」「『標的の島々』であることが、ヒシヒシと感じられ、たたかっている人たちの思いが伝わってきました。このようなことを沖縄に強いている現政権、それを作ってしまっている我々のことを何とかしないと、と思った」など多数寄せられました。

(憲法いかそう茨木市民の会・山本よし子)


枚方 マスコミは真実知らせない 上映収益で沖縄代表派遣へ

 沖縄の方がいつも言うのは「200人いれば工事は止まる。現地に来てほしい」だ。この言葉に応え、上映に取り組む目的に「収益で沖縄に代表派遣する」を付け加えた。結果として、これがよかった。

 10月1日、枚方市民会館一帯で開かれたNPOフェスタの中での上映会は、1回目、2回目ともほぼ満席。155人の参加があった。他に無料で小中学生7人の参加も。感想用紙も回収63枚、宮古島への激励カンパも多く寄せられ、本当にやってよかったと思う。チケット販売は200枚を超えた。

 沖縄の南西諸島に今、自衛隊の基地が建設、強化されようとしている。宮古島市長の自衛隊受け入れ表明をめぐって、「てぃだぬふぁ 島の子の平和な未来をつくる会」の楚南さんたちが市長に面会を求めて食い下がる場面だけでも見る価値がある。命こそ宝≠ニあきらめない≠フ思いが沖縄の若い世代に受け継がれている。

 感想の多くに「知らなかったことがよくわかった」「ありがとう」と書かれていた。
中学生の感想は? とお母さんにお聞きすると「『現地の琉球新報などに大きく載ってることがこちらの新聞では載ってないね』と親子で話しました」とのこと。マスコミは真実を知らせていないのだ。

 最後にうれしかったこと。フェスタに来て、偶然受け取ったチラシを見て上映会に参加した方が「高校生の子どもにこの映画の内容を伝えます」と書いておられたこと。また、「映画は見れないけど沖縄に代表派遣のために」と多くの方が快くチケット代カンパをしてくださったことに感謝。

(枚方上映実行委員会・手塚美子)



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