2017年10月27日 1499号

【大盛況の福島沖縄まつりinふくしま 「じゃんがら」「エイサー」コラボ 命の大切さ、温かさを伝える】

 10月9日、福島市のJR福島駅東口駅前広場で「月桃の花」歌舞団をはじめ県内外14団体・個人の出演により「福島沖縄まつりinふくしま」が開催され、のべ約1千人が参加するにぎわいとなった。実行委員会代表の岡崎仁さんから報告が寄せられた。

 福島の「じゃんがら踊り」と、いわきで生まれた浄土宗僧侶、袋中(たいちゅう)上人がそれを沖縄に伝えたのが始まりといわれる「エイサー」とのコラボレーション。そこに地元ダンスサークルの創作ダンスが加わり、大変にぎやかで華やいだまつりとなりました。福島の祭りと重なったこともあり、たくさんの方々に見ていただくことができました。

 お客様の中には、『月桃』の歌詞の内容に関心を持ってくれた方や辺野古埋め立て問題を訴える方も。出演は「月桃の花」歌舞団のほか、福島市・二本松市・いわき市などから、また宮城県石巻市から集まってくださった皆さまです。出演された方から「文化や歌を通した交流、こういうまつりに非常に可能性を感じた」「貴重なコラボはとても楽しい時間でした」などのコメントもいただきました。

アピール・タイムで訴え

 今回、沖縄写真展、福島写真展のブースを設置。まつりの途中でアピール・タイムをとり、歌舞団の岡野愛さんから沖縄の基地問題・環境問題、放射能健康診断署名実行委員会の小山潔さんから福島の放射能による健康問題・環境問題についてお話していただきました。放射能署名の協力も計194筆。流石(さすが)です。震災から6年7か月。じっと耐えて硬くなった心に「命」の大切さや温かさが伝えられたのではないかと思っています。

 さて、日本は今も「原子力緊急事態宣言」が継続中です。放射能による土壌汚染は測定されていません。二本松市で今年6〜7月に宅地除染の依頼を市にしたところ、環境省から来たという役人は、地上1bの空間線量率を使って「今年の3月までは除染目標は暫定で0・23μSv/時だったが、今の国の基準は0・60μSv/時で超えていなければ大丈夫。問題ありません」と言っていました。地上1aでは1・0μSv/時のホットスポットが複数あることを知っていて、「地上1aは線量が高くても問題ない。あくまで地上1bの数値が基準だ」と言い放っています。放射能汚染が封印されようとしています。

 各家庭に埋設または地上保管されている汚染土のフレコンバッグは多くがいまだにそのまま。結果、本来なら100万人に1〜2人の小児甲状腺がんが、福島県県民健康調査ではカウントされない、避難中や経過観察から発病した子どもたちを含めれば優に200人を超すといわれる福島(人口は震災前で約200万人)。一方、アメリカ軍の爆撃拠点基地、沖縄。全国的な貧困、仮設住宅の無償提供打ち切り、放射能を薄めて拡散される汚染水、汚染された食料、棄民政策…。

来春『ガマ人間』再演へ

 来る2018年5月12日には、「月桃の花」歌舞団のミュージカルコメディー『ガマ人間あらわる』福島公演の第二弾が予定されています。今回のまつりで歌舞団の知名度が上がり、サポーターの方が増えればと願っています。

 このまつりは、『ガマ人間―』福島公演第一弾、今年3月26日に郡山市で歌舞団と「沖縄と福島をつなぐ実行委員会ふくしま」(OFC)が共同開催した「福島沖縄まつり」、『ガマ人間―』郡山公演に続く催しでした。今後どのような花が咲くかは分かりませんが、コツコツと種を蒔いていきたいと思います。

 「月桃の花」歌舞団はじめ出演してくださった皆さま、福島市やいわき市など後援をいただいた皆さま、名刺広告や賛同をいただいた皆さま、また一緒に店舗開催していただいた皆さま、OFCの皆さま、そしてボランティア・スタッフ・サポーターの皆さま、このイベントに直接参加された方を陰で支えてくださった皆さま等、多くのご協力に厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。皆さまと、苦労を含めて楽しい時間を共有できたことに感謝申し上げます。

(福島沖縄まつりinふくしま実行委員会代表・岡崎仁)



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