2017年11月03日 1500号

【1500号主張 改憲阻止共闘の方向は示された 3000万人署名・安倍退陣署名で 改憲阻止、安倍打倒実現へ】

自公が3分の2

 10月22日投開票された衆院選において自公が313議席をとり、3分の2以上を維持した。メディアは自民大勝(10/23朝日)、自民圧勝(10/23読売)と評価している。

 しかし、自公両党は改選前(318)と同水準の議席を獲得したにすぎず、自公政権への支持を伸ばしたわけではない。問題は、安倍政権への支持率が低く不支持率が上回っていたにもかかわらず、自公政権の存続を許すことになったことである。

民進党解体と共闘破壊

 森友・加計(かけ)疑惑追及で追い込まれ、共謀罪の強行採決で市民から批判を浴び、都議選で大敗を喫した安倍をなぜ退陣に追い込めなかったか。

 言うまでもなく民進党解体、野党共闘破壊の結果である。

 民進党解体の直接的下手(げしゅ)人は前原、小池であるが、用意周到な権力の策謀が背後にあった。蓮舫民進党代表おろしの執拗な二重国籍攻撃、前原就任で共産党との共闘否定、山尾幹事長候補のスキャンダル暴露、連合神津(こうづ)会長、前原、小池による民進党解体謀議。これらは明らかに戦争・改憲路線への助け船であった。小池が希望の党への結集基準として戦争法、改憲容認の踏み絵を踏ませたことにより、変革を求める市民からの小池・希望の党への支持は激減したが、民進党内の改憲勢力を野党共闘から解き放ち、改憲勢力へと合流させる結果をもたらした。

 まさに小池、前原は改憲を推し進める役割を果たしたのである。権力は、野党共闘の弱点、民進党内における改憲派の存在をついて民進党・野党共闘を解体した。

 安倍首相は10月23日、「希望の党の皆さんは憲法改正に前向きな、建設的な議論をしていこうという人が多い」と発言した。安倍は、維新、希望の党を含めれば改憲勢力が8割を確保したことを生かして改憲論議を加速していくことは間違いない。

改憲阻止共闘の強化で

 しかし、民進党解体の事態にもかかわらず、選挙の中で共産党、立憲民主党、社民党を柱に新しい市民と野党の共闘が多くの選挙区で成立し、北海道、新潟などで成果をもたらした。市民の声と力を背景に改憲阻止の明確な意思を持つ共闘が築かれたのだ。立憲民主党は急ごしらえだったが、無党派層の受け皿となり躍進した(無党派層の31%が投票、自民は21%、共同通信調査)。沖縄で4区は落としたもののオール沖縄が3議席を確保した。

 この共闘を揺らぐことなく発展・強化することで改憲は阻止できる。朝日新聞世論調査によれば、「安倍さんに今後も首相を続けてほしい」は34%、「そうは思わない」は51%。自民党公約の9条への自衛隊明記については賛成37%、反対40%だ。朝日が「短兵急な(性急な)議論は民意の分断を深めかねない」(10/23)と言うように、改憲派にとっても9条改憲はむずかしいことである。

 国会議席では不利でも、市民の多数を組織すれば改憲は阻止できる。9条改憲阻止3000万人署名、安倍打倒署名を広げることで改憲阻止、安倍打倒の力を作り上げよう。沖縄新基地建設阻止、南西諸島への自衛隊配備反対の闘いを強めよう。

      (10月23日)
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