2017年11月03日 1500号

【沖縄・福島のメッセージ届ける 「月桃の花」歌舞団 ガマ人間あらわる 京都公演】

 10月14日、京都市右京区で「月桃の花」歌舞団のミュージカルコメディ『ガマ人間あらわる』公演(主催―同実行委員会、協賛―平和と民主主義をめざす京都市民の会)が行われた。地域に沖縄・福島のメッセージを広げた取り組みの報告を寄せてもらった。

一軒一軒、 平和の声掘り起こす

 今回の公演に向け、地域から平和の声を掘り起こしていこうと会場周辺の民家一軒一軒を回りました。インターホン越しに「10月14日、ふれあい文化会館でフクシマとオキナワをテーマに平和と命の大切さを訴えるミュージカルをやります。少しお話できないでしょうか」と訴えます。出てきて話を聞いてくれた方にチラシや会ニュースを手渡し、安倍9条改憲反対署名、安倍退陣署名をお願いする取り組みに踏み出しました。

 予想をしていたより多くの方々が、わざわざ出てきて話を聞いてくれました。チケットを買ってくれたり、「近くだから参加できるかも」と当日精算券を預ってくれた方も。「ミサイル問題で戦争の危機の中だからこそ、話し合いによる平和解決を」と改憲反対、安倍退陣署名を訴えたところ、快く署名に協力してくれた方もいました。こうした取り組みを粘り強く続けることが地域から平和をつくり出す展望だと確信しました。

 当日は132人の参加で成功。また、第1部では京都朝鮮歌舞団の女性歌手が和楽器奏者の山本朗生さんと共演し、日朝の文化交流、友好の公演ともなりました。今後、改憲反対の取り組みを地域に広げる決意を新たにしました。

(平和と民主主義をめざす京都市民の会・川口健次)

ただの台詞ではない 当事者の声届ける

 沖縄・福島からのメッセージを伝えてくれるミュージカル『ガマ人間あらわる』の公演に、エキストラとして関わる機会を得た。沖縄戦当時の住民役を演じ、ガマ(洞窟)に閉じ込められた人びとの心情になりきった。このガマが危険だと人に教えてしまえば、自分がスパイ扱いされてしまう…当時の住民はそんな緊張感の中にいたのだ。たった一言の台詞も、その事実を知らなければ表現できない。

 公演後はユース交流会に参加し、来場者の方々から感想を聴くことができた。福島の原発事故を、自分とは遠い世界の話のように感じていたという若者は、作品を通じ、間接的に原発避難者の声を聴いたことで関心が高まった言う。来場者の中には福島から避難してきた人もおられ、作中で語られる言葉は、ただの台詞ではなく当事者の声なのだと再認識させられた。

 沖縄・福島の取材を経て形になったこの作品の背後には、沖縄戦や原発事故を経験した当事者が、確かにいるのだ。キャストは、当事者に代わって彼らの声を届けてくれる。戦争も原発事故も、遠い世界の出来事ではない。もっと多くの人に、ミュージカルという親しみやすい形で当事者のリアルを伝えられればと思う。

   (京都・小森友穂)

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