2017年11月03日 1500号

【みる…よむ…サナテレビ(459)2017年10月21日配信 イラク平和テレビ局in Japa/電気も水も来ない ―バグダッド市民の怒り―】

 イラクでは現在、首都バグダッドでさえ電気も水もこない地域が続出している。2017年7月、サナテレビはバグダッドのジャジーダ地区に入り、社会サービスの実態について住民にインタビューした。

 最初に登場するジャジーダ地区区長は、深刻な表情で「地域には水が来ない」と訴える。この一言だけで事態の深刻さが伝わる。中東最大級の近代都市バグダッドの市民に水道の水さえまともに来ていない。

 区長は「水道局は、水道管は取り付けたが、水を入れなかった」と状況を語る。水を送り込まない水道管とは一体何なのか。悪い冗談を聞いているようだ。しかし、これがジャジーダ地区の住民の置かれている実態なのだ。

 続いて別の住民が「電気は10時間のうち、1時間だけ来ます」「水道の水は流れているのを見たことがない」「生ゴミのために子どもが病気になる」とたて続けに訴える。

 10時間のうち1時間しか電気が来ない。自治体が生ゴミを回収に来るのは、3〜4日に1回だけ。今回の映像が気温摂氏50度にもなる7月に撮影されていることを考えると、衛生状態は最悪だろう。

元凶は腐敗政権

 政府は、議会は、政治家は一体何をしているのか。市民は政治家を痛烈に批判する。「(サドル派のある議員は)自分のショッピングセンターを作ったのに住民のための道路の舗装はしなかった。(別の議員は)ショッピングモールを2つも作ったのに何もしなかった」と告発する。

 シーア派の中のサドル派は、イラク占領当時は「反米」をアピールし、現在もイラク政府を批判しているかのようなポーズをとっている。だが、その国会議員はこんな連中なのだ。

 衆議院選挙ただ中の日本でも、特に安倍政権を支える与党議員には国民の命や暮らしをまったく考えない言動を繰り返す人物が大勢いる。安倍首相自身、国政私物化むき出しの政治家であり、イラクと状況は何ら変わらない。

 サナテレビは、地域の住民生活の破壊の実態を知らせ、元凶である腐敗政権に立ち向かおうと呼びかけている。このイラク市民の闘いに連帯したい。

(イラク平和テレビ局in Japan代表・森文洋)



ホームページに戻る
Copyright Weekly MDS