2017年11月03日 1500号

【2017衆院選/市民と野党の共闘 揺るがず/改憲阻止 安倍退陣へ再始動/東京12区/池内さおりさん惜敗/市民の共同 大きく広がる】

 東京12区(北区、足立区西部など)の市民と野党の共同候補として奮闘した共産党の池内さおりさん。公明党前代表との一騎打ちとなった小選挙区での当選をめざしたが、前回14年衆院選の倍近い8万3544票を得ながら惜しくも敗れた。

 投票が締め切られた午後8時、北区王子の選挙事務所ではレインボーカラーのハートマークと“VOTE with your heart”(心を込めて一票を)の文字が染めぬかれたジャンパー姿の支持者たちがNHKの開票速報に見入る。自公の獲得議席数予想に「えーっ」の声が。8時10分、相手候補の当選確実がテロップに表示された。「早すぎない?」「あぁショック」「マジかよ」。誰もが悔しさでいっぱいだ。

 それでも、長妻昭さん(東京7区〈渋谷区など〉、立憲民主党)や辻元清美さん(大阪10区〈高槻市など〉、同)、逢坂誠二さん(北海道8区〈室蘭市など〉、無所属)らの当確が報じられるたびに、歓声が上がる。ひときわ大きな拍手に包まれたのは、沖縄1区(那覇市など)での赤嶺政賢さん(共産党)勝利が伝えられたとき。「赤嶺さんよかったね」「オール沖縄が勝った」と言葉も弾んだ。

 9時25分、池内さんが姿を見せた。「泣かない」「負けてないよ」と声をかけながら支持者と握手を交わす。フジテレビの番組に生出演し、共産党の自衛隊政策をあげつらうインタビュアーにきっぱり反論すると、「こういう報道が許せるか。今ので燃えた。次は勝つぞ」とこぶしを振り上げた。マイクをとり、池内さんは選挙戦を振り返る。

 「市民と野党の共同、その力が持つ広がりをこれほど感じた闘いは今までなかった。戦争法の強行以後に積み上げてきた信頼関係がある。辛淑玉(シンスゴ)さんから始まって最後は金子勝先生まで駆けつけていただいた。SNSの呼びかけに応えて電話かけに来てくださる多くのボランティアの方がたも。市民と野党の共同の力をもっと前に進めてほしいという幅広いみなさんの願いがこの12区で象徴的に表れた。だいぶ追いついたんだから、あとは追い越したい。絶対に安倍政権に好き勝手させず、早急に退陣に追い込み、政治を前に進めていきたい」。事務所内に「池内さおり」「池内さおり」コールが鳴り響いた。

 平和と民主主義をともにつくる会・東京の会員たちも精力的に選挙活動に取り組んだ。土屋のりこ足立区議の支持者リストなどをもとに電話かけを行い、「憲法改悪に反対し、消費税に反対する候補。初質問でLGBTの問題を取り上げ、国会に新風を吹き込んだ」と池内さん支援を訴え。「税金は金持ちから取るべき」といった会話も生まれ、電話がつながった人の約4割が投票を確約した。

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