2017年11月10日 1501号

【改憲とめる総選挙 主役は市民】

東京21区 千葉5・6区 共闘候補支援で展望つかむ

 東京では25選挙区中、市民と野党の共同候補は4選挙区で勝利し、4選挙区で接戦に持ち込んだ。一方、一本化できなかった6選挙区は野党共闘が成立していれば勝利または接戦になっていた。選挙応援に取り組んだ市民の間では、悔しさと同時に、展望もつかんだとの受けとめが強い。

 東京21区(日野市など)は、民進から希望に合流した前議員と自民党の前議員が争う中、市民連合の運動を反映する選挙戦を展開しようと、土壇場で統一候補(社民党)を決めた。候補者は当初、市民連合・野党共闘を口にせず不満も。しかし、電話かけやメガホン行動に取り組んだ上地悦子さんは「『安倍は下ろしたいが、他にもいない』と言う人が多く、一人と20分以上の長電話になるケースもあった」と、対案を求める有権者の真剣な声を実感した。落選したが敗北感はない。「これまで国政選挙は遠い存在だったが、市民の声が影響を与えることができると思った」。子どもとも選挙について初めて話し合ったという。

 千葉5区・6区(市川市など)は、野党共闘の候補(立憲民主党)が善戦。希望が立憲つぶしで候補者を立てなければ自民の勝利はなかった。5区の選挙事務所につめ、電話かけをした上野通子さん。統一候補が決まったのは公示直前だったが、仲間を誘って3人で1000人以上に電話した。パンフレットは1200部地域に入れた。「仲間は『なんとしても立憲民主党候補を通したい』と大車輪の活躍だった。民進党時代には誰も来なかった選挙事務所に登録ボランティアが70人と膨らんだ」。行動の中でつかんだ共闘の力、闘いの広がりへの確信をさらに深めた。

 千葉6区で電話かけやポスター貼り、車での宣伝に取り組んだ山本進さんは「惜敗したが比例で復活した立憲民主党の当選者には、今後も意見を言っていける。改憲反対など11項目の政策協定ができたので、ここが基本になる」と振り返った。昨年の参院選で初めて国政選挙に関わったが、勝手連としての活動だった。「政策はあいまいにしてそれぞれが勝手に支援していた。今回は明確だったので、誰が候補に決まっても応援した。やってよかった」と、野党共闘を実現させた市民の力を改めて強調した。


東京13区 草の根から応援した若者たち

 私たち「平和と民主主義をともにつくる会・東京」の若者たちは、足立区内の野党共闘候補の応援を行いました。

 13区では、週末の市民連合集会に参加。北千住駅前に「安倍やめろ」横断幕を大きく掲げ、野党共闘をアピールしました。12区では、共産党池内さおり候補の応援を行いました。公明党との一騎打ちでなんとしても勝たせたいという想いで、週末は十条駅での練り歩き、最終日の池袋駅での演説に参加。ほかの時間は電話かけを頑張りました。

 「憲法を守る候補」「野党共闘」「増税反対」を訴えました。「考えておきます」という反応の一方で、訴えを聞いてくれる方や会話になる電話も多く、国政への関心が高いことが伝わりました。電話かけに対して少し苦手意識がありましたが、みんなで励まし合いながら、600人近くの方に電話をかけることができました。

 電話かけを通して多くの方と対話できたこと、それにより池内さおりさんの得票へ繋げることができたことが大きな成果だったと思います。結果は残念でしたが、選挙戦で培った力を次は改憲反対署名を集める力に注ぎ込み、草の根から改憲NO!安倍政権NO!の声をさらに大きくしていきたいです。がんばろう!

(平和と民主主義をともにつくる会・東京 T・K)


大阪9区 共闘実現で勝たせる行動に

 大阪9区では、服部良一さんが自民と維新の改憲候補に対抗する野党統一候補として一本化されました。獲得した約4万5千票は、野党と市民の共闘の成果です。

 選挙前から改憲阻止へ多くの市民が活動。茨木では「憲法をまもりいかす議員を国会に送る会・茨木」を立ち上げ、私も携わってきました。9区全体のネットワークをめざして池田や箕面にも足を運び、市民と交流を図ってきました。突然の総選挙と服部さん立候補が市民を突き動かし、3市2町の市民がまとまって選挙戦をたたかおうと作ったのが、MINITs9(ミニッツナイン)という市民グループの連絡会です。政党支持の違いを乗り越え、安倍打倒、改憲反対の政策実現へ服部さんを推すことができたのです。

 選挙期間中「市民が動くことで、政治を変えよう」とオリジナルのリーフレットを配布したり、MINITs9の街頭宣伝では若い親たちに「子育ても教育も政治と無関係ではない」とアピールしたり。市民サイドの選挙運動で服部支持を訴えることができました。

 力を入れたのは9区全体で3万5千軒の電話かけです。私自身は、服部事務所での電話かけ責任者になっていましたが、連日、府内各地から電話かけに来てくれる人が途切れることがありませんでした。服部さんを知らない人が多い中でも、「野党統一候補を強調しよう」と語り口を合わせて訴えたことが、票につながっていきました。

 市民と野党の共闘ができ、支援する多くの市民一人ひとりが服部さんを勝たせようと行動し始めた。これが今回の選挙の大きな財産です。

(大阪・憲法生かそう茨木市民の会・山本よし子)

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