2017年11月10日 1501号

【朝鮮学校の子どもたちに学ぶ権利を/全国集会に3000人超/差別なき日本社会つくる】

 高校無償化制度から朝鮮学校を排除するなと訴えている裁判の地裁判決が相次いで出された。広島(7/19)と東京(9/13)は国の主張引き写しの不当判決、大阪(7/28)は「排除は違法」とする画期的勝利判決となった。裁判は愛知・福岡でも闘われている。地方自治体による不当な補助金停止も続いている。

 朝鮮学校に通う子どもたちの学ぶ権利を守り、真の多文化共生社会を実現しようと10月25日、東京・代々木公園で全国集会が開かれた。冷たい雨の中、朝鮮学校生や卒業生、父母、日本人市民ら3000人以上が集まった。

 主催者あいさつでフォーラム平和・人権・環境の藤本泰成さんは「総選挙後も差別主義者が大手を振って政治の舞台に立っている。広島・東京地裁は政権の姿勢に迎合し、法理に則った冷静な判断を放棄した。日本社会は無法地帯と化している」と警告。韓国「ウリハッキョ(私たちの学校)と子どもたちを守る市民の会」のソン・ミヒさんは「子どもたちは誰であれ差別を受けてはならず、尊重されなければならない。日本政府はこれ以上歴史に重い罪を犯さないでほしい。市民の会は裁判勝利のための“1万人宣言運動”を繰り広げる」と連帯あいさつした。

 リレートークでは、東京朝鮮中高級学校高級部3年の女子生徒が「私はウリハッキョでウリマル(朝鮮語)を学び、ウリノレ(朝鮮の歌)を歌い、ウリチュム(朝鮮の踊り)を踊り、本当の自分自身を築くことができた。堂々と自分らしく生きている私たちの姿をちゃんと見てください。根拠のない理由で判断しないでください。差別や偏見に屈せずしっかりと根を張って学ぶ私たちの姿を見てください」と訴えた。卒業生で朝鮮大学校4年の男子学生は「民族的差別が蔓延(まんえん)し、日本に生きる朝鮮の子どもたち、後輩たちの心までも傷つけている。私はこのような日本政府、日本社会に激しい憤りを感じる。差別なき日本社会の明るい未来のためにも、この闘いは重要だ。手と手を取り合って団結すれば必ず勝利できる」と決意を語った。

 集会後、朝鮮大学校生のブラスバンドとともに渋谷の街をデモ行進した。

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