2017年11月24日 1503号

【日韓労働者が交流集会/平和、教育、生活文化 多様な連帯が勝利の力】

 日本と韓国の労働者が交流し、労働運動だけでなく平和運動、地域運動を学びあう活動が続いている。なかまユニオンは11月6日大阪市内で交流集会。前日の団結まつりに参加した韓国の労働組合と市民団体による生活文化連帯運動に学ぼうと交流した。

市民団体とともに

 地域の貧困問題や教育問題に取り組む韓国の希望連帯労働組合。その支援を受けて活動している市民団体の一つ「楽しい教育想像」のアン・ヨンシンさんが労働組合と市民団体の連帯の意味を話した。

 ソウル特別市の北部、城北(ソンブク)区(人口約48万人)で、貧困家庭の小、中学生や働いている青少年を対象に多様なプログラムを用意し、「止まってしまった学力」の向上など労働人権教育や生活支援を行なっているアンさん。「事業所の壁を越え、地域社会に走れ!」と宣言する希望連帯労組の取り組みに共感した。「連帯こそ資本に対抗できる道だ」。希望連帯労組の基金は、教育センターの建設資金や地域ボランティアの指導員の人件費として役立っている。

 アンさんは「市民団体の中には労働組合などに対する歪曲された認識がある」という。食事会やヒーリングキャンプなどを労働組合員と取り組むことで、連帯感、信頼感がうまれている。労働争議への支援につながっている。

 希望連帯労組CNM籠城闘争の場で、市民が連帯のあいさつをした。兄弟福祉院(大量死亡事件を起こした暴力的「更生」収容所)の生存者というその人は「毎日、殴るけるの暴行を受けた。院を脱出し自分の言葉をもてるようになった。小学校も出ていないわたしがこの場であえて連帯あいさつしている。労働者はいまだ自分の言葉を奪われている」と。このエピソードを紹介したアンさんは「青少年の労働人権教育は自分の言葉、自分の声を取り戻す運動。その基盤を希望連帯労組が作ってくれた」とまとめた。

希望連帯労組の地域貢献

 希望連帯労組の地域貢献事業は7年目に入った。城北区以外にも10地区に及び、総額19億5千万ウォン(約2億円)にもなる。組織局長チェ・オスさんは「地域など多様な社会との連帯が大胆な挑戦を可能とし、勝利に近づける」とその意義を語る。「希望連帯労組は3500人。弾圧を受け、明日への不安を抱くのは個々の労働者だ。未来を切り開いていく個人の力を高める必要がある」。自由で多様性めざす労働組合運動を職場だけでなく、地域とのつながりの中で作り出そうとしている。

 正規、非正規の労働者が手をつないで闘うことも、職場要求だけでなく全国的な最低賃金1万ウォン(約千円)の要求に取り組むこと、賃金格差の是正、均等化など相互理解が不可欠だ。希望連帯労組の合言葉「ともに闘って、ともに勝利しよう。すべてをかけて闘おう」を紹介。相手の話を聞き、相互に支援し、兄弟のように生活を共にする―これが連帯と団結の基だ。

 チェさんは冒頭、参加者に一緒に2回、5回と手をたたくよう促した。「手の大きさはいろいろある。でも、息が合うと気持ちがいい。希望連帯労組が目指している団結です」

 なかまユニオンは、首都圏なかまユニオンとともに11月23日〜25日、韓国を訪問。ソウル城北区を中心に、希望連帯労組が取り組む生活文化連帯事業を体験する。



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