2017年11月24日 1503号

【平和と国際連帯のために(下) ユ・ミヒさん 国際的闘いで脱原発へ 戦争許さぬ日韓民衆の絆を】

 前号に続き、11・5団結まつり(大阪)に韓国から参加した「軍縮平和日韓共同行動」ユ・ミヒさんの報告を掲載する。(翻訳は編集部)

脱原発への論議

 一方、福島原発事故後に高まった脱原発への関心は、2016年の韓国・慶州(キョンジュ)で発生したマグニチュード5・8の地震の後、さらに強まり、全国民的な関心事となりました。

 去る5月には、市民の激しい脱原発運動に支えられ、すでに寿命の尽きた老朽原発、リング社1号機の永久閉鎖を行いました。

 そして、ムン・ジェイン大統領が大統領選の時に脱原発の公約の一つとして掲げた「建設中の新規原発新古里(コリ)5号、6号機の建設中止」をめぐる激しい公開討論を経て、脱原発に向けた国民的な意思が確認されました。

 しかし、拙速な論議の経過は、「原発の安全神話と経済性の論理」が勝つことになり、新古里5号、6号機を建設することが結論となって、私は深い失望に陥りました。公開討論の過程で行われた原発推進勢力は、原発の安全性と経済性を説明し、日本における原発再稼働の実態を根拠にしました。脱原発には、国際連帯が必要です。

平和にしよう¢蜑

 去る10月14日〜15日には、星州(ソンジュ)ソソン里(リ)のTHAAD(サード)ミサイル配備反対闘争の現場で、「対案文化連帯」と韓国のいくつかの平和運動団体が集まって「朝鮮半島の非核化と平和のための平和にしよう=v第1回大会を開催し、すべての核に反対し、核ミサイルと核開発を中止させて平和に進むための闘争を決議しました。

 この席で、参加者はこうした連携の流れを国境を越えてアジアに拡大し、年1回、すべての核に反対し、戦争に反対し、平和を勝ち取るための国際連帯フェスティバルを模索しよう、と決意を固めることができました。

トランプ来韓と軍事圧力

 11月7日、米国のトランプ大統領がアジア歴訪の際に韓国にも来訪します。米国政府は、トランプ大統領の訪韓日程に合わせて、朝鮮半島の緊張をさらに高めようとしています。前例のない3隻の原子力空母の朝鮮半島・西太平洋一帯への配備、ミサイル攻撃警報訓練、B1Bランサー爆撃機をはじめとする戦略核爆撃機の韓国内への配備と爆撃訓練、金正恩(キムジョンウン)斬首作戦などの特殊訓練など、朝鮮に対してあらゆる軍事的圧力を加えています。

 そして、トランプ訪韓に先立ち、韓米国防長官らは、軍事境界線内の非武装地帯で会談を持ち、「韓米協力態勢」を強調して固い意志と強い軍事力で「平和」を守ることとしました。それとともに、朝鮮の核ミサイルの脅威を防ぐために米国の戦略兵器を韓国に循環配備する案を検討するとしています。

平和勢力の国際連帯を

 しかし、平和は決して強力な軍事力によって保たれるものでないことを私たちは理解しています。核兵器は核兵器で防ぐことができないことも十分理解しています。

 私たちは、「戦争と暴力に頼らずに、平和共存のための感受性をもって異なる意見にも耳を貸し、共に連帯の道を進むべき」です。戦争と暴力で富と権力を維持するグローバル資本とそれらのためのグローバル帝国主義国に対抗し、世界の平和勢力が国際連帯によってさらに堅く絆を強めなければなりません。すべての民衆が、美しい連帯を一緒に作っていけるものだと信じています。

 最後に訪韓予定のトランプに対して韓国民衆の強力な叫びを日本の皆様と共に行いたいです。

 トランプ来るな! 戦争の脅威を高める軍産複合体の利益だけを追求する来訪を歓迎しない。

 NO! Trump! NO! WAR!

   《11月5日》

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