2017年12月01日 1504号

【1504号主張 改憲方針示した所信表明 改憲発議許さず安倍打倒へ】

野党分断狙う安倍

 安倍首相は11月17日の所信表明演説で、改憲について「互いに知恵を出し合いながら、共に、困難な課題に答えを出していく。そうした努力の中で、憲法改正の議論も前に進むことができる。そう確信しています」と述べた。

 この改憲方針表明をどう見るか。来年通常国会での改憲発議を諦めたわけではない。一言も発議断念とは言っていない。世論の動向を見極めようとしているのである。

 公明党山口那津男代表は「(発議に必要な衆参両院)3分の2の背景には、それ以上の国民の支持があるくらいの状況が望ましい」と改憲急進行には賛成しかねるとの態度表明を行った。自民党岸田文雄政調会長も「国会が真っ二つに割れるような議論はふさわしくない」「いろいろな議論が党内に存在する」「多くの政党の理解を得ることが最も早道」と改憲への「合意」形成重視を主張する。

 これらは市民の世論を反映したものだ。11月11、12日の毎日新聞による世論調査では、改憲について「急ぐ必要はない」66%、「急ぐべきだ」24%と圧倒的多数の市民がただちに改憲することに反対している。衆院選結果も安倍政権がそのまま支持されたわけではないことを自民党自身も認識している。

 安倍は、野党の中で自衛隊そのものを批判するのは共産、社民だけであることを踏まえ、改憲論議を進め、世論を見定めながら来年の発議にもっていこうとしているのである。

所信表明は嘘だらけ

 安倍は平然と嘘をつく。

 所信表明では、介護について「2020年代初頭までに50万人分の介護の受け皿を整備する。その大きな目標に向かって、介護人材確保への取り組みを強化します」と表明したが、進めているのは介護報酬の切り下げ、介護サービスのカットだ。

 賃金について「4年連続の賃金アップの勢いをさらに力強いものとし、デフレからの脱却を確実なものにしてまいります」と言うが、実質賃金は低下し続けている。

 「国際社会と共に、北朝鮮への圧力をいっそう強化してまいります」と述べたが、韓国、中国、ロシアも対話の重要性を主張し、安倍とは一線を画した。「11か国によるTPP協定の早期発効を目指します」も、カナダの反対で首脳間の大筋合意さえ見送られた。外交でも嘘ばかりだ。

世論を作るのは私たち

 日本のマスメディアはトランプと安倍の親密な関係ばかりを宣伝する。だが、世界では、バンカーで安倍がひっくり返っている間もトランプはゴルフを続けていた、と二人の関係を冷静に報じる。

 世論誘導にごまかされず、改憲阻止、安倍内閣打倒の世論を強めることが必要だ。

 「脅威」をあおり「あらゆる事態に備え、強固な日米同盟の下、具体的行動を取る」と語る安倍は、大軍拡を進め、辺野古の護岸工事加速、宮古島・基地造成工事の正式着工など、沖縄での戦争国家づくりを具体化させている。急ピッチで進む辺野古新基地建設、宮古島ミサイル基地建設に反対しよう。朝鮮半島危機の平和的解決を求めよう。

 9条改憲NO!3000万署名、安倍退陣署名で対話を進め、地域から安倍打倒の声を広げよう。

       (11月19日)
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