2017年12月08日 1505号

【1505号主張 東アジアを戦場にするな 平和・軍縮スピーキングツアー成功を】

戦争脅迫やめろ

 トランプ米大統領は11月20日、朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)をテロ支援国家に再指定し、「最高レベルの制裁」を表明。対話の可能性に水を差した。これを口実に朝鮮は29日、2か月半ぶりにミサイルを発射した。安倍首相は「圧力を最大限に」と述べテロ支援国家指定支持を確認。同時に米国からの兵器購入、兵器生産やミサイル共同開発を進め、日本の軍需産業肥大化を急加速させている。

 政府は11月14日、辺野古埋め立て用砕石の海上搬送を強行。陸上搬送の阻止行動、沖縄県や名護市の抵抗をかわし、護岸工事の既成事実化で県民に諦めさせることを狙う。宮古島でも、住民の反対や懸念を無視し、自衛隊ミサイル基地建設へ造成工事を開始した。

 こうした危険な動きについて、戦争でおどして国会などでも追及・焦点化させず、戦争国家づくりを進めていく。安倍の9条改憲の行きつく先は戦争大国化だ。

民衆の粘り強い反対

 だが、安倍やトランプの戦争挑発を支持する国はアジア、世界のどこにもない。もし米朝開戦となれば甚大な犠牲をはらうアジア民衆は戦争など望まない。強力な反対運動が展開されている。

 沖縄では、砕石搬送に使用される奥港を抱える国頭村(くにがみそん)奥区で住民総会が開かれ、全会一致の反対決議が上がった。これは阻止行動を闘う県民を励まし、翁長(おなが)知事や稲嶺名護市長の基地建設反対姿勢を後押しする。宮古島・石垣島でも、人びとがくらす小さな島へのミサイル基地建設に反対運動が繰り広げられている。

 韓国では、高高度迎撃ミサイルTHAAD(サード)配備に反対する強力な住民闘争が続き、済州島(チェジュド)の巨大海軍基地を米海軍が使用することに反対する全国闘争も広がっている。

 緊張激化は軍事費を膨れあがらせ、グローバル資本だけがもうけ、民衆に貧困をもたらす。ミサイルを買う金があるなら教育や年金など社会保障に回せの声を強めるときだ。

 韓国、沖縄、全国の反基地闘争と、9条改憲阻止、安倍やめろの闘いを強く結び、市民の力で平和・軍縮を切り開かなければならない。

国際連帯で平和構築

 12月10〜17日、沖縄、韓国の平和運動家と各地で反基地、改憲阻止を闘う人びとが集い交流する「東アジアを戦場にするな!平和・軍縮のためのZENKOスピーキングツアー」が行われる。このツアーは、現場の闘いと国際連帯こそが平和解決実現の展望となることを示す。

 住民の住むところに基地を造ってはならない軍民分離の原則は国際法であるジュネーブ条約の根幹だ。沖縄でも韓国でも基地強化は許されない。

 日本と朝鮮、中国との間に平和構築の土台はある。ともに、「北東アジアの平和と維持のための相互協力」(02年日朝ピョンヤン宣言)をうたい、「すべての紛争を平和的手段により解決し、武力による威嚇に訴えないこと」(78年日中平和友好条約)を表明した事実がある。これを安倍に守らせるのだ。平和勢力が生み出した核兵器禁止条約に日本、米国、朝鮮、韓国を参加させるのだ。国際連帯で戦争を止め、平和・軍縮をつくりだそう。

       (11月29日)
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