2017年12月08日 1505号

【原発と核兵器を越えて平和へ/朝鮮半島の核を根絶する平和行動】

 12月「ZENKOスピーキングツアー」に韓国から参加する軍縮平和日韓連帯行動のユ・ミヒさんは10月、高高度迎撃ミサイルTHAAD(サード)配備地で行われた平和行動に参加した。その報告要旨を紹介する(翻訳は編集部)



 2017年10月14〜15日、星州(ソンジュ)郡チョジョン面(ミョン)ソソン里(リ)で「朝鮮半島の核を根絶するための私たちの平和行動<平和にしよう>が開かれた。全国からの100人余りの市民とともに私たち代案文化連帯(注)・軍縮反戦平和実践団11人も参加した。

 参加者は平和パレード、トークショー、討論をはじめ様々な平和行動を共にし、「原発と核兵器を超えて平和へ!すべての核に反対する」と連帯した。そして、今後、東アジアの平和のための国際フェスティバルをともに行おうという提案を共有した。

パレードから討論会へ

 14日、平和の気持ちを表すパレードを準備。ソソン里の花と木の葉で花輪を作ってかぶり、ハルモニ(おばあさん)人形などを掲げてサード配置部隊に行く入口まで行進し、平和の気運を分かち合った。

 続いて、トークショーと討論会。反戦・反核・軍縮平和活動を展開してきた多様な団体の代表が短く提起した。

 まず、金泉(キムチョン)でサード反対活動をする金泉対策委の女性がサード反対キャンドル集会などを紹介し、深刻に現われる暴力について話した。

 「サード反対横断幕を何枚も張り付けておいたら、誰かがナイフで横断幕を傷つけた。修繕しながら怖さでいっぱいになった。サード配置よりもっと恐ろしいのは、考えが違うという理由で残忍にナイフを使う現実。サードは撤回することができるが、違いに対する嫌悪と暴力の考えを溶かすことができるのか、破壊された共同体は回復できるか、あまりに暗澹(あんたん)とした」と言う。

 次に、円仏教(韓国発祥の仏教系新宗教)でサード反対闘争をしている方は「円仏教の本山がある霊光(ヨングァン)では原発建設に反対闘争。聖地であるソソン里へのサード配備は阻止しかない。核兵器と原発はすべて核分裂を利用した一つの原理。原発は結局、核兵器を持つための試みだ。核兵器禁止条約に米国と日本、韓国と朝鮮が入っていない」と、朝鮮半島と東アジアが非常に危険な地域であることを強調した。

 第3に、カトリックで平和活動をする方が発言した。

 「トランプは、アメリカ人に対して『戦争になっても韓国(人)が死ぬだけ』と露骨に述べる。1958年、韓国に米軍が核を持ち込み、78年に原発が開始。すべては戦争のための計画だった。米国は軍産複合の国。戦争を通じて利潤を作ろうとする。原発は日常的な戦争と言うことができる。南北が朝鮮半島の非核化のために進むとき、朝鮮半島に平和が来る」

市民の国際連帯も提案

 第4に、代案文化連帯・軍縮反戦平和実践団を代表してチェ・スミ氏が発言した。

 「世界には戦争と平和の二つが存在する。脱核、反核に関連して韓日民衆は同じ問題に直面している。日本に訪問した時、日本の脱核・反核団体を知った。日本政府は、福島は復興しそこでとれる農産物を食べてもいいと広報、福島からの避難民への支援を取りやめ汚染地域に戻るようにと言う。これに日本の市民たちは闘っている。また、安倍政権による戦争可能な国づくりへの憲法改正に対して『憲法9条堅持闘争』を展開。沖縄では基地反対闘争を粘り強く行っている。いかに戦争に対抗するのか。『兵器を持たないこと、市民たちの覚醒と対話、友情で戦争に勝つことができる』。その小さなものが巨大な戦争策動に対抗する道だ。それで、平和を望む世界市民の会を作ろう、平和の言葉を作ろう、平和憲法を作ってみよう」と提案した。

 最後に、労働党で平和活動をされる方が、国境なき医師団の活動経験を話した。

平和のための実践

 短い討論で「平和のためにできる実践は何か」などについて言葉を交わした。平和教育、平和市民たちの連帯を形成して一緒に実践行動をしようということから1年に1度<平和にしよう>を行おう、東アジア平和のための連帯へ国際フェスティバルを開催しよう、などが提案された。

 以降、平和コンサートやキャンドル集会、フォーラムなどが行われ、すべてが原発と核兵器に反対する人びとの最初の連帯の時間となった。

(注)代案文化連帯は、文化運動、民主主義運動、労働運動を進め、グローバル資本主義のオルタナティブ(代案)をめざす。

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