2017年12月22日 1507号

【女性の尊厳傷つける吉村大阪市長に抗議 性暴力は現在の問題】

 サンフランシスコ市が日本軍「慰安婦」などの像を市の公共物としたことを理由に、吉村大阪市長が同市との姉妹都市解消を表明したことに対し、12月7日、市長への要請行動と市役所前スタンディングのアクションを行った。この行動は、日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワークの呼びかけで、橋下前市長の「慰安婦は必要だった」という暴言に抗議し活動してきた「おんなこどもをなめんなよの会」や私たちOPEN(平和と平等を拓く女たちの絆)など7つの市民団体が賛同し、取り組んだもの。

 吉村市長による姉妹都市解消は、日本軍の性奴隷として被害にあったアジアの女性たちの尊厳を傷つけるものだ。歴史の事実を覆い隠し、新たな戦争へと地ならしすることにつながる。60年も続いてきたサンフランシスコ市との友好関係を一方的に断ち切ることは許されない。参加した100人以上の市民は「勝手に姉妹都市を解消するな」「女性の尊厳と人権を守れ」と抗議の声をあげた。

 「慰安婦」の問題は、決して過去の歴史の問題にとどまらない。日本政府は、性奴隷とされた女性たちに謝罪もせず、責任を負うことすら拒む。このことは、女性に対する性暴力への対応がいかに軽んじられているかを示している。日本でも現在、性暴力や性犯罪が次々に起きている。沖縄では、米軍兵士による性犯罪が後を絶たず、市民の怒りが渦巻いている。

 そんな中で、性暴力の被害やセクハラにあった女性たちが、勇気を持って声を上げ始めている。ジャーナリストの伊藤詩織さんは、自らのレイプ被害の経験を語り、「性暴力は長い間その人を苦しめる」「性暴力の問題は、決して別世界の、特殊な話ではない。身の回りでおこっていることだ」と指摘する。伊藤さんらの告発を踏まえ、被害を受けた人たちが黙らされ、泣き寝入りさせられているこの社会を根本から変えていかなければならない。

(OPEN・山本よし子)

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