2017年12月29日 1508号

【1508号主張 アジア民衆の連帯で改憲止める 戦争ではなく福祉に予算を】

繰り返される米軍事故

 12月13日、米軍普天間基地横の普天間第二小学校校庭に大型ヘリの部品が落下した。7日にも保育園への部品落下事故があり、園児、児童の命にかかわる事件だ。朝鮮半島の緊張激化で米軍の訓練は激しさを増し、事故を続発させている。人の命を奪うことを目的とする軍隊にとって子どもが危険にさらされることなどどうでもいい。戦争改憲路線はまさに市民、子どもの命をおびやかすものだ。

 安倍の戦争改憲路線のもと来年度予算編成で市民生活悪化、軍事力強化が明確に示された。「ミサイル防衛」の名でイージス・アショアが導入され2基2000億円を支出する。敵基地攻撃を行う巡航ミサイル導入も進めている。沖縄辺野古新基地建設、宮古島のミサイル基地新設を急ぐ。

 来年度軍事費は過去最高の5兆1900億円にふくれあがった。他方で生活保護費は削減され、4人世帯では最大月額9000円も給付が減らされる。介護についても給付を減らすために訪問介護の制限などを画策している。

 改憲と戦争準備の動きは、沖縄で起きたように戦争以前に市民、子どもの生活を直接危うくする。事故を起こした米軍ヘリは全国で飛び回る。軍事費を拡大するために、市民生活を維持する社会福祉、医療が削減される。戦争改憲路線はグローバル資本を儲けさせるものに他ならない。

孤立するトランプ・安倍

 朝鮮半島危機をめぐって、トランプ、安倍の戦争挑発ではなく、交渉による解決をめざす動きが強まっている。朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)を訪問した国連のフェルトマン事務次長は「北朝鮮側と戦争を防ぐ重要性で一致した」と述べ、朝鮮に対し南北対話、平昌(ピョンチャン)五輪参加を提案した。12月14日に行われた習近平(シーチンピン)中国国家主席と文在寅(ムンジェイン)韓国大統領の会談で朝鮮半島の戦争は絶対に容認しない、対話と交渉で解決すると合意。ティラーソン米国務長官も12日、朝鮮と前提条件なしで話し合うことを呼びかけた。15日には発言を修正し圧力強化を強調したが、トランプ政権内部にも戦争路線への疑問が出ていることは間違いない。

 トランプ、安倍の戦争挑発は世界で孤立している。トランプによるエルサレムのイスラエル首都認定宣言も全世界から批判を受けている。中東和平を破壊する行動だからである。安倍政権はここでもトランプを批判しない。

市民の大きな連帯で

 12月10〜17日のZENKOスピーキングツアーにおいて、日米韓の軍事力増強に反対し東アジアの軍縮・平和確立に日韓市民が連帯して闘う重要性が強調された。9条改憲は日本市民だけの課題ではなく東アジアの平和確立のために絶対に許してはならないことが確認された。弾圧の強まる沖縄新基地建設阻止の闘いに、韓国の闘う市民から力強い連帯が表明された。

 戦争改憲路線は必然的に生活破壊をもたらすことを暴き、生活破壊にあえぐ広範な市民の声を安倍打倒に束ねよう。大軍拡を止め軍事費削減とあわせて福祉・医療などへの予算拡大を求めよう。戦争挑発ではなく対話、沖縄の市民弾圧を許さず新基地阻止、憲法改悪阻止を掲げ、声を上げ行動する市民の大きなうねりを作り出そう。

       (12月18日)
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