2018年01月19日 1510号

【大阪の教育破壊と闘う 被処分者松田さんらD-TaCが集会 できることを、できるかたちで】

 大阪市の中学校教員松田幹雄さんの「君が代」不起立処分撤回と学校に民主主義を実現することを目的として活動するD-TaC(Democracy for Teachers and Children〜「君が代」処分撤回!松田さんとともに〜)は12月23日大阪市内で、講師に住友剛さん(京都精華大学人文学部教授)を迎え、集会を開催した。集会タイトルはズバリ、「これでええんか、大阪の教育改革」。60数名が参加した。

 前年12月のD-TaC集会同様、大阪市内130中学校、4千名以上の現場教職員にも、案内を届けた。またHPや住友さんのブログなど多様な発信での集会案内が功を奏し、保護者や学校にボランティア活動としてかかわった方など教育職場を外から視る方の発言をはじめ、多様な意見が交わされ、意義深い集会となった。

 住友さんは、大阪市の特に橋下市政の教育3条例(教育行政基本条例・職員基本条例・学校活性化条例)は、「上からの教育改革」に「批判的にものを言わせないようにする装置(特に教職員をターゲットに)」と、まず維新政治の根幹を批判。そのバリエーションとして、地域や保護者のニーズに応えるかのポーズをとった学校選択制による統廃合や公設民営学校など、今、大阪で進んでいる「競争と分断」、公教育破壊の実態を詳しく分析し批判した。

 そのうえで、「こんなことおかしいよ、私は許せない」と思う人びとどうしの出会いの場をつくることの大切さを強調。「今の学校の現状に異議申し立てしている人びとの姿」を、できるだけ「他の人の目に触れる」ようにし、そう思う人が増えていくことこそ、競争と分断の「教育改革」にブレーキをかけることにつながると。

学校の内と外でつながる

 「君が代」不起立処分撤回を闘う松田さんが「やっぱり、(チャレンジテストなどの)成績が一番なんだよね」という生徒の日常会話も紹介し、競争と排外主義の中に置かれている生徒の現状を報告。この現実を変えるため、子どもたちに「君が代」の戦前・戦後の歴史・意味を正しく伝え、起立・斉唱が強制でないことを説明することを求める保護者・市民からの学校要請とそれに応える教育実践のよびかけが行われた。

 最後に、元府立学校教員・「君が代」不起立被処分者の梅原聡さん、大阪市交通局「ひげ裁判」原告の河野英司さん、地域情報誌製作スタッフの向井美香さんから、連帯・激励のアピールを受けた。

 参加者からは、「現状を『しかたない』とあきらめることが、教育をさらに劣化させ、子どもを苦しめる、ということに怖さを感じました。市民も加担させられていると思います。構造的にとらえる目をもって、学校の内と外でつながっていきたい」などの感想が寄せられた。

 D-TaCとしても、卒業・入学式に向け、市教委との団体協議や、学校要請、生徒への「君が代」の意味を知らせるチラシ配布活動など、1月からも精力的に取り組みたい。

(D-TaC世話人  田中秋子)

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