2018年02月09日 1513号
(実発行日 2月2日)

【1513号主張 日韓市民共同声明の賛同広げ 改憲NO!3000万署名達成へ】

加速する9条改憲策動

 1月26日、自民党憲法改正推進本部は、3月25日党大会での改憲案提示に向けて議論を急ぐ方針を確認した。9条への自衛隊明記について、2月上旬から党内意見集約に入るとしている。このペースで進めば、3月中下旬にも国会の憲法審査会に自民党の改憲案が持ち出されてくる。

 安倍首相は、改憲案の国会審議に時間をかける気はない。戦争法、共謀罪法で、審議を行うほど批判が高まり支持率も低下したからだ。発議は秋の臨時国会とのメディア報道をうのみにしてはならない。

 自民党は、改憲国民投票のハードルが高いことを見越し、膨大な資金量で乗り切る構えだ。国政選挙のテレビCM費は500億円と言われるが、その5〜10倍の宣伝費が国民投票に使われるという。自民直結の広告代理店=電通をはじめ、宣伝業界は国民投票を特需として歓迎している。

 9条改憲のたくらみを阻止するのは、発議させない市民の運動と世論の力以外にない。この2月、3月、3000万署名達成へ全国で取り組みを大きく加速させるときだ。

南北融和を断固支持

 9条改憲の口実を奪う大きな情勢変化が生まれている。朝鮮半島での南北融和の流れだ。韓国・平昌(ピョンチャン)で開かれる冬季五輪に、朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)は応援団を含め過去最大700人の参加団を送る。韓国・朝鮮の統一入場行進、統一旗、アイスホッケー統一チームなど、「民族の問題は民族で解決」と対話が進んだ成果だ。

 米トランプ大統領も対話が続いている間は「軍事行動はしない」と言い、朝鮮核問題を話し合う20か国外相会議も、南北対話を歓迎し進展を支持する議長声明を出した。

 この流れに一人逆行し、緊張激化をあおるのが安倍政権だ。20か国会議で、河野外相は「国連制裁決議の完全、厳格な履行を」「北朝鮮との国交断絶や北朝鮮労働者の国外退去も対象とすべき」と南北対話に敵対した。日本のメディアも、朝鮮にだまされるな、文在寅(ムンジェイン)政権は五輪を政治利用していると批判し、対話妨害キャンペーンを強めている。日米の好戦勢力は、五輪後の米韓合同軍事演習再開、戦争挑発に躍起となっている。

日韓市民の連帯強化

 朝鮮半島での緊張緩和の流れを後退させず、軍事挑発中止、非核化、平和構築へとつなげていかなければならない。これを実現するのは、市民の国際連帯運動の強化だ。

 今、「平和を希求する日韓の市民による共同声明1000人賛同運動」(2面参照)が、12月「沖縄と韓国をむすぶ平和・軍縮のためのZENKOスピーキングツアー」を担った韓国、沖縄、全国の市民によって呼びかけられている。これに積極的に応えよう。憲法がさし示す信頼醸成と戦争放棄、戦力不保持の平和主義をアジアに広げ、沖縄、韓国の基地建設、軍事力強化を止める力となる意義がある。

 制裁強化や軍事的威嚇、排外主義ではなく、対話でこそ緊張を緩和し平和を構築できる。そのことを南北協議、五輪をめぐる出来事は実証している。9条改憲の根拠など何一つない。安倍改憲、戦争挑発に反対する国際連帯を広げ、1日も早い改憲NO!全国統一署名3000万筆の目標達成へ前進しよう。

       (1月29日)
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