2018年02月09日 1513号

【福島原発事故被害/政府・東電に怒りあらた/福島原発刑事訴訟/6月まで公判15回の集中審理/東電元幹部の刑事責任立証へ】

 初公判から7か月。東京電力元幹部3人を被告とする福島原発刑事訴訟の第2回公判が1月26日、東京地裁で開かれた。63の傍聴席を求めて260人以上が並んだ。

 公判に先立ち、「厳正な判決を求める署名」の第1次集約分3127筆が永渕健一裁判長に宛てて提出された。

 永渕裁判長はこの日、2月から6月まで15回の公判を開き、秋には20人以上の証人尋問と被告人質問を終える意向を明らかに。並行して行われた院内集会で海渡雄一弁護士は「すごく早いスピード。あとは論告求刑、最終弁論となる。来年度内の判決も十分考えられる。期日を多く入れるよう求めた検察官役弁護士の側の言い分が通った」と評価し、「たくさんの方が傍聴に来てほしい」と呼びかけた。

 今回の証人は、事故当時の原発設備管理担当の部長代理。尋問のやり取りについて集会で報告した甫守(ほもり)一樹弁護士によると、証人は(津波高さ15・7bの計算結果が被告の武藤栄元副社長に伝えられた)2008年6月10日の社内会合に出席し、「従来の想定より極端に増えたのが驚きだった。違和感を覚えた」という。甫守弁護士は「会合の内容は記憶にないと言いながら、違和感があったことだけは覚えている」と不自然さを指摘し、「事故の危険に対する認識が少しもなく、安全対策を先送りした東電の姿勢を代表する証言だった」と批判する。

 集会では、福島の告訴人から「山形に母子避難していた娘家族は去年3月の住宅打ち切りで生活が続けられず、やむなく帰ってきた。この裁判をもって、誰も責任を問われない体制を何とか変えていきたい」と訴えがあった。

 今後の公判期日予定 2月8、28日/4月10、11、17、24、27日/5月8、9、29、30日/6月1、12、13、15日(2月8日は10〜12時、他は10〜17時。104号法廷)

ホームページに戻る
Copyright Weekly MDS