2018年02月09日 1513号

【原発事故被害訴訟/3月に3判決 原告団・支援者の力一つに/全国支援ネットワーク結成】

 福島原発事故避難者が国と東京電力の責任を問う損害賠償訴訟の判決が3月に集中する。15日京都訴訟(京都地裁)、16日東京訴訟(東京地裁)、22日いわき避難者訴訟(福島地裁いわき支部)と相次ぐ。

 「国・東京電力の加害責任を断罪し新たな原発被害救済の枠組みを作る全国総決起集会」が1月27日、都内で開かれ、会場いっぱいの300人が参加した。集会に先立って結成された「原発被害者訴訟全国支援ネットワーク」の代表世話人、早川篤雄さんが開会あいさつ。「福島原発事故は、神話と札束で暴走した国とひたすら暴利をむさぼった東京電力により起こるべくして起きた確信犯罪だ。自覚した市民の力、原告が主人公であることがポイント」

 「昨年、前橋・千葉・福島判決で国と東電の法的責任を断罪した流れは動かない。区域内外の線引きをさせず、ありのままの被害・ふるさと喪失の損害を当然の事実として認めさせる」と到達点と課題を提起したのは、いわき避難者訴訟の米倉勉弁護士。

 3月に判決を迎える京都・東京・いわきと、生業(なりわい)・千葉各訴訟の原告団が決意を表明する。京都訴訟原告団の福島敦子共同代表は「低線量被曝に閾(しきい)値がないことを明らかにした崎山比早子(ひさこ)さんが証人採用された。結審後、スイス・ジュネーブを訪問し、国連人権理事会4か国勧告に結びついた」と国内外の多彩な活動を紹介した。

 原発被害者訴訟原告団全国連絡会(原訴連)の佐藤三男事務局長が2月15日の国会議員要請や院内集会などの行動を提起し、原訴連の10項目の統一要求書を提示。支援団体から連帯あいさつが続く。全国公害被害者総行動実行委員会の中山裕二事務局長は「水俣やアスベストなど40年を超す公害との闘いを貫く普遍的な力は、被害を受けた怒り、要求実現の強い意志だ」と語った。

 最後に「避難者の住宅追い出しは認めない」との共同声明、集会宣言を採択。終了後、水道橋駅前など3か所でスタンディングアピールをした。

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