2018年03月02日 1516号

【「戦争する国」づくりを止める 300人が安倍改憲、維新支配の教育にノー】

 2月11日大阪市内で「『建国記念の日』反対! 『日の丸・君が代』処分撤回! 『戦争する国』づくりをすすめる教育を許さない!」を掲げて集会とデモが行なわれ、約300人が参加した。毎年、旧紀元節の「建国記念の日」に反対し、「日の丸・君が代」強制反対・不起立処分を撤回させる大阪ネットワークが主催して続けているもの。東京、名古屋などからの代表参加も含め、「日の丸・君が代」と天皇制強制に反対する大阪の市民運動がこぞって結集する集まりとなっている。

 今年は、特に天皇代替わり、東京オリンピックキャンペーンと結んだ安倍9条改憲の動きの中、「このままじゃ、アカンやん。私たちの未来、どうなるの?」と問う子どもたちの思いに応える取り組みを確かめ合う場となった。

 東日本の原発事故棄民、沖縄の切り捨て、格差拡大による閉塞感の広がり、森友・加計(かけ)など政財界の腐敗―。国家からの民心の離反に対し、安倍内閣は象徴天皇をも利用して意識統合し、それと一体で9条改憲強行をもくろむ。生前退位、新天皇即位、新元号制定で「代替わり」幻想を煽り、2020年東京五輪を改憲の下での新天皇世界デビューの場にすることを狙う。

 これと連動して今、学校は「愛国主義」教育の嵐だ。「日の丸・君が代」強制、教職員の率先垂範による起立斉唱強要と不起立処分、不起立の来賓への式出席拒否の動き。新設の道徳科では「愛国心」が成績評価の対象になり、防災や職業体験学習と称して自衛隊員講師による訓練メニューまで導入されつつある。

違憲を許さぬ裁判で

 集会では、駒込武さん(京都大学教授)の講演などに続き、「君が代」不起立処分の取り消しを求めて提訴しているグループ「ZAZA」の当該教職員らが次々に闘いの拡大と支援を訴えた。東京の訴訟をめぐり最高裁は、「君が代」起立斉唱は「間接的制約」にすぎず「慣例的儀礼的所作」として公務員は起立すべき、というトンデモ不当判決を確定させた。しかし、大阪府・市が維新支配下で強行制定した「国旗国歌条例」は、子どもの「愛国心」を高めるために教職員が率先垂範して起立斉唱することを定める。決して「慣例的儀礼的所作」ではなく、思想・良心の自由を侵す明らかな憲法違反だ。

 この点をともに最重点で訴えてきた7人共同原告の「戒告処分取消請求」裁判の第一審判決が3月26日14時、大阪地裁809号法廷で言い渡される。同日、豊中市教委の処分撤回を求める佐藤訓子さんの第一審判決も同法廷13時10分だ。訴えとともに安倍、維新の攻撃と闘う各団体の発言を受けて集会決議を上げ、デモで市民にアピールした。

(大阪・教職員なかまユニオン・笠松正俊)



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