2018年03月14日 1518号

【議会を変える 大阪府枚方(ひらかた)市議 手塚たかひろ もうけ優先維新市政に批判強める】

 枚方(ひらかた)市に伏見維新市政が誕生して約2年半が経過した。

 4月から、生涯学習市民センターと図書館が合わせて設置されている複合6施設へ指定管理者制度が導入される。これらの施設から市職員がすべて引き上げられ、市民活動に身近な場に1人も居なくなる。市職員と市民との日常的な触れ合いを奪って、どのようにして「市民と共同のまちづくり」をしようとするのか。国ですら図書館には指定管理はなじまないと、導入への財政誘導をあきらめたにもかかわらず、何が何でも指定管理導入事業を増やす。市の業務を民間のもうけの場に提供する。これが維新市政だ。

 12月議会では私も含めて9名の議員が反対した。

 これに加えて、民間への儲け口の拡大は、指定管理事業者選定の競争主義の徹底として現れた。障害者福祉施設運営、高齢者福祉事業などは、利用者と職員の人間関係の継続性の確保などを理由にして競争入札でなく、社会福祉協議会、シルバー人材センターなどと特定した指定管理者に管理運営を任せてきた。しかし、維新市政は「競争性の確保、さらなる民間活力の導入」として業者を特定せずに競争入札を原則にした。

 3年おき5年おきに事業者が変われば、事業の継続性、利用者との人間関係にも困難が生じる。これまでの市の主張は間違っていたのか。

 年金が少ない、年は取ったがまだ働きたい、元気なのでもう少し働きたい、と思う高齢者に働く場を紹介し働く場を作るのがシルバー人材センターの役割だ。枚方市は自転車駐輪場の指定管理者として10年来シルバー人材センターを特定してきた。しかし、高齢者雇用にこだわらない事業と位置づけ直し、競争入札で他の民間事業者が落札。約400名の雇用事業がなくなる。新事業者は希望者全員に面接試験を行うと言うが、全員の雇用が保障されるわけではない。民間のもうけのために高齢者雇用を後退させる。

 続いて、外郭団体等への対応方針には「団体の運営自体を補助する活動補助金については、その団体の事業の採算性を曖昧にするともに、民間等との公平な競争を阻害する恐れがあることから廃止する」。外郭団体への補助金一律カットの理由を民間事業者にもうけの場を作るため≠ニあからさまに語っている。

 外郭団体やその事業についても、日々の検証、見直しが必要性なことは間違いない。

 だが、「身を切る改革」と言いながら実は「民間のもうけの場を増やすために市民の身を切る改革」を行うのが維新市政だ。いっそう批判を強めたい。
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