2018年03月21日 1519号

【3・11から7年 原発事故は終わっていない バイバイ原発きょうと集会に2500人 3・15判決へ賠償訴訟原告の訴え響く】

 3月11日、福島原発事故から7年。再稼働を許さず、被害者への完全補償、原発ゼロ社会への転換をめざす行動が各地で展開された。

 京都では、2018年「バイバイ原発3・11きょうと」の集会、デモが取り組まれた。集会では、3月15日に判決を迎える原発賠償訴訟京都原告の9人一人ひとりが7年間の思いを語った(代読1人)。

 避難区域外からの避難者を主体とした集団訴訟としては初の判決となる京都訴訟。弁護団の田辺保雄弁護士は「年間1_シーベルト以上追加被ばくしないよう市民を守るのが社会のルール。安全かどうかの議論とは関係なく、そのルールに違反する地域から逃げるのにそれ以上の説明は不要」と20_シーベルト下への帰還政策を批判し、避難の正当性を強調した。

 57世帯174人の原告団。最初に共同代表の萩原ゆきみさんが不安だった日々の心情とともに「3・11は、出会うはずもなかった数多くの人びととのご縁をいただいた感慨深い日」と裁判に至る支援の存在に触れた。わずか1、2分のアピールだが、会場は静まり返った。突然の事故、避難するにも誰とどこへ。「責任が重過ぎて悩みました。何が一番大事か。それは命です」。「もう2度と原発被害者を出していはいけない。だから原告になった」「避難の権利を勝ち取り、この国を正しい方向へ転換させたい」

 最後に共同代表の福島敦子さんは「避難者の多くは、声を出せば誹謗中傷されることを恐れます。この舞台に立った8人の原告の勇気を称(たた)えます。今日のこの繋がりに感謝します」。会場満杯の2500人が惜しみない拍手を送った。会場で販売した原告団の思いをつづる『私たちの決断あの日を境に…』(耕文社)は完売。これまでにほぼ2000冊が売れた。

 京都北部が30`圏に入る大飯原発の再稼働を前に、「再稼働反対」を訴えるデモは長く長く続いた。

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