2018年04月13日 1522号

【ミュージカル ガマ人間あらわる 大阪・城東公演に300人 歌舞団と市民が地域に広げる】

 3月21日、「月桃の花」歌舞団によるフクシマ・オキナワとつながる希望のミュージカル『ガマ人間あらわる』大阪・城東公演は大きく成功した。歌舞団、公演実行委員会の2人に報告を寄せてもらった。

命の使い捨てにノー 観客も思いを出し合う

 「自分の今の心境とかぶりすぎて涙が止まりませんでした」(38歳女性)「福島で子育てすることへの不安、放射線への怖さがしみじみと伝わってきました」(21歳女性)「福島や沖縄などの社会問題に基づいてやっていて感動しました。『ダイレクト』という曲が印象に残りました。『私たちは死なない』っていう曲も残っています」(33歳女性)

 これは、大阪公演に寄せられたアンケートの一部だ。主役ののぞみ*に新しいキャストを迎えて練習を重ね、1月プレ公演で観てくれた方からの率直な感想を糧(かて)に、ステージをつくりあげてきた。また、会場満席をめざして、大阪公演実行委員会と歌舞団事務局で議論を重ね、毎日のチケットの広がりをニュースにして共有してきた。約300人の集客を実現することができ、大きな感動と共感をよんだ。

 終演後の「ユース交流会」には、20人が集まり交流を深めた。「今日は1人で観に来ました。会社で差別的なことがあり共感できました」「今、高校生でこの春から大学生になります。悲しい想いをする人がいなくなったらいいなと思うけど、福島の原発のことも知っていたけど、知識だけで終わっていてどうしたらいいかと考えている」など、自分の職場のこと、普段考えていること、悩んでいることを率直に出し合う場となった。

 自分たちの命が使い捨てにされていると感じ、この仕組み、この社会を変えたいと思っている人が、ミュージカルの自分のいのちは自分で決める≠ニいうメッセージに強く共感したと思う。

 そうした参加者とつながり、『ガマ人間あらわる』を全国にひろげ、私たちの命をないがしろにする改憲を止める大きなうねりをつくり出したい。

(「月桃の花」歌舞団 垣内由香)

改憲NOと結んだ取り組み すべてで新たな出会い

 大阪市城東区で初めての公演はスタッフを含め300人を超える参加で会場はいっぱい。歌舞団の熱演に観客が集中し、最後に歌われたテーマ曲『ダイレクト』の「私の命は私のものだ!」の希望の声が、しっかりと胸に響くミュージカルでした。

 大阪市政を城東区から変革していく契機にと昨年11月、「平和と民主主義をともにつくる会・大阪」と「月桃の花」歌舞団で公演実行委員会を立ち上げました。

 安倍9条改憲NO!3000万署名を集めながら一軒一軒訪問し、公演宣伝を開始。歌舞団とともにスタッフがチラシを配る商店街などでの道ジュネー(練り歩き)は5回におよび、エイサーや街頭署名で宣伝し、署名だけを取り組むときにも常に「フクシマ・オキナワとつながる希望のミュージカルです。ぜひこの歌を聞いて下さい!」と訴えます。街頭や預かり含め計3万5千枚のチラシを配布。そこからチケット申し込みもありました。

 また、宣伝カーに「9条改憲NO」と『ガマ人間あらわる』のカラフルなバナーやポスターを貼り、「9条改憲で自衛隊は戦争する軍隊に変わってしまいます。安倍さんは何も変わらないと言っていますが大ウソです」と訴えながら、「3000万署名の歌」、ミュージカルのテーマ曲を流して、区内を1週間くまなく走り回りました。

 公演直前には、会場近くの公園で「春呼ぶエイサー&お餅つきまつり」。町内会の回覧板案内もしてもらえました。多くの方が参加され、楽しいまつりに。高齢の女性は「戦争で手が不自由になり、どうにか生きてきました。今日は生きる力をもらった」と感想を述べ、「いつもやってほしい」という声もありました。若いお母さんが改憲NOの署名を家族の分も書いて、私たちつくる会の通信を届けることもOKしてくれました。

 公演を成功させるために取り組んだすべてで、地域の人との触れ合いがあり、新たな出会いがありました。公演は大きな感動を呼び、「私が言わなきゃ伝わらない≠ナすよね」との感想など、今後、会の定例ミーティングや行動の案内をできる方も増えたことをうれしく思っています。

(平和と民主主義をともにつくる会・大阪 松尾孝子)





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