2018年04月20日 1523号

【フィリピンABAKADAから3000万署名 代表が385筆を持参 海を越えた連帯が結実】

 フィリピン、マニラにあるABAKADA(アバカダ)(貧困家庭の子どものための就学前教育施設)の代表が3000万人署名385筆を3月大阪で開かれた春の子ども全国交歓会(子全)に持参した。支援を続けてきたAKAY(アカイ)日本の中條千尋さんから報告が寄せられた。

 「安倍政権は、…アジアで少数の支配者の権益を守り維持するため憲法9条を改悪しようとしています。ABAKADA-MAPALAD KA(マパラドカ)(貧困と暴力に反対する市民運動)は、子どもたち、家族、地域社会を守るため、資本家たちの競争によって引き起こされる戦争の脅威からアジアを守り平和を維持しようとする日本の人々と連帯します。…積極的にこの署名運動に協力しようではありませんか! ABAKADA基金代表ポール・ガラン」

 ポールさんは2月、AKAY日本の要請に応え、保護者に3000万署名(英語版)を呼び掛けた。保護者会で9条の学習会を開催。署名依頼の趣意書の中で、「憲法9条とは、第二次世界大戦後成立した日本の平和憲法の根幹となる条項です。日本の人々はこの9条で、多くのアジア民衆はもとより日本国民の命を奪った第二次世界大戦のあの暗い日々を二度と繰り返さないためにも、いかなる軍事行動や戦争にも参加しないと平和への誓いを明らかにしたのです」と述べている。保護者らは地域で385筆の署名を集めた。

 3月24〜25日、ABAKADAの2012年入学生アイゼさんと保育園部ジョナルド先生が子全参加のために来日。その署名をAKAYに手渡した。

海を越えた連帯

 毎年マニラでアジアの非核・平和フォーラムが開催されている。今年は2月10日、戦争と貧困に反対するアジア民衆の連帯を強化しよう ≠ェテーマだ。AKAYは子全、全交メンバー等と共に参加。

 日本側が報告したのは、フィリピンへの武器供与、沖縄新基地基地建設・南西諸島自衛隊配備反対運動、安倍政権の9条改悪の意図など。フィリピン側からは、非核条項を盛り込み米軍基地を追い出すきっかけとなった「1987年憲法」の改悪、軍備拡大や規制緩和、労働者の非正規化などドゥテルテ政権のもくろみが明らかにされた。フォーラムは「原子力発電所の建設・稼働を止めろ/被爆者に連帯/核兵器廃絶のため声をあげよう/憲法9条を堅持/日本の軍事協力、軍事行為、武器輸出を許す憲法改悪に反対しよう」と決議を採択した。

 ABAKADAは今年創立30周年を迎える。「ABAKADA基金は、MAPALAD KAの平和建設支援活動を通して、保護者が子どもたちや家族のために平和な地域社会を作る運動に積極的にかかわれるよう支えることを、使命の1つに掲げています」(趣意書)。AKAY日本、子全とともに子どもたちの夢を支えようと歩んできたこの30年。貧困のない社会、戦争のない社会をめざし、地道に取り組んできた。署名385筆を受け取り、海を越えた連帯≠ニはこういうことなのかと思う。改憲NO!署名と7月21日AKAY支援ピースコンサートにつなげたい。
(AKAY日本・中條千尋)



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