2018年04月27日 1524号

【みるよむ(481)2018年4月14日配信 イラク平和テレビ局in Japan イラク労働者への爆弾テロを許さない】

 2018年1月15日、イラクの首都バクダッド・タラヤン広場で、の自爆攻撃によって死者38人以上、負傷者100人以上という犠牲者が出た。日雇い労働者が仕事を求めて早朝から広場に集まっていたところを狙われたのだ。2月、サナテレビは労働者に対するテロ事件に、市民にインタビューを行った。

 冒頭に登場する活動家は「労働者階級は、世界中で、いつでもどこでも踏みつけにされている階級だ」と憤る。そしてテロリスト達は「狩り」のように多数の労働者の命を奪っていると語気を強める。

 ある市民は、イラクという国を作っている労働者を標的にするのは、「社会不安を引き起こすためだ」と断言する。命を奪われたり手足を切断するような重傷を負わされても、国もどの政党も治療費や生活費を補償しないのだ。

 評論家は「犠牲になっているのは貧しい階級だ」と指摘し、その狙いは「政府を転覆してイラクに大混乱を引き起こすことだ」と説明する。「人がたくさんいる場所に爆弾攻撃をかければ、もっと大きな問題になる。そのために、テロ勢力は労働者や通行人、カフェ、人の多い地域を狙う。その方が影響が大きいからだ。そんな指導者らはまさに『戦争犯罪人』だ」と続ける。テロ攻撃はヨーロッパを含め現在も多く引き起こされている。

踏みにじられる人権

 サナテレビは2008年12月、このタラヤン広場に集まる失業者たちにインタビューを行っている(2009年4月18日に配信)。その時も、武装勢力の爆弾攻撃による負傷で失業した労働者が失業保険の申請を政府に拒否されていた。あれから10年、労働者・市民の生活も人権も、踏みにじられ続けている。

 これだけ多数の労働者・市民が犠牲になっているのに、政府は何をしているのか。

 宗派主義、民族主義勢力による労働者・市民へのテロ攻撃の背後には、グローバル資本主義諸国や中東諸国の権益争いがある。イラク政府自身がそうした勢力の一員であり、市民の命も人権もまともに守ることはない。サナテレビは、市民・労働者が立ち上がって自らの力で安全と命を守ろうと呼びかけている。

 (イラク平和テレビ局in Japan代表・森文洋)

http://peacetv.jp


 
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