2018年04月27日 1524号

【南北・米朝首脳会談成功で東アジアの平和と核のない世界を 全米200以上の団体・個人が 米朝韓首脳に公開書簡】

 世界は4―5月に行われる南北朝鮮、米朝首脳会談を支持し緊張緩和の動きを歓迎している。全米200以上の平和団体、市民団体と個人は、ドナルド・トランプ米国大統領 、文在寅(ムンジェイン)韓国大統領、金正恩(キムジョンウン)朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)労働党委員長に対し、首脳会談の成功で平和を実現するよう求める公開書簡を送った。3月28日、ニューヨーク国連本部でジャクリーン・カバソUFPJ(平和と正義のための連合)共同代表らが記者発表した全文を紹介する。

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親愛なる トランプ大統領、文大統領、金委員長

 米国市民団体グループや個人は、わが国と朝鮮との間の危機的な軍事的緊張、世界的に高まる核破局の危険性を深く憂慮しています。朝鮮半島、米国、そして世界に想像を絶する大惨事をもたらす可能性のある戦争を阻止するのに不可欠である本質的な対話と外交を開始するために取られた画期的な歩みに深く感謝します。私たちは4月の南北首脳会談、5月の米朝首脳会談を全面的に支持しており、粘り強くかつ積極的に合意点を追求するよう要請します。

 65年ほど前の朝鮮戦争に関与した諸国間の緊張は、1953年の不安定な休戦以来、周期的に噴出してきました。しかし、ここ数週間のみなさんの行動は、あの戦争を正式に終結させる機が熟していることを世界に示すものです。みなさんの洞察力と指導力は、世界中の平和を愛する人びとの支援を得て、北東アジアにおける国際的緊張の高まりを終わらせ、朝鮮半島における紛争当事国間の平和条約の基礎を築くことができます。その実現に必要な歩みを果敢に進めようとするみなさんに敬意を表します。平和な世界という未来像に向け対話に入る、と約束したことに心から感謝します。

 米国と朝鮮の指導者の一度の接触で、永続的な解決につながる合意を生み出すことが難しいことはわかっています。ですが、今回の会談は、私たちを現在の危機から決定的に遠ざける重要なプロセスの始まりとなるかもしれません。

 私たちは、対話の継続中は核兵器やミサイルの実験を控えると確約してこのプロセスの進展を可能にした朝鮮の寛容さと柔軟性、そしてまた安全保障が担保されるならば非核化の過程に取り組む用意があるという対応に深く感謝します。さらに、朝鮮は4月に予定された米韓軍事演習に異議を唱えませんでした。私たちは、米国空母とおそらくは原子力潜水艦が今回の共同軍事演習に参加しないとの報告に励まされています。私たちは、オリンピック休戦の精神を踏まえ、米国と韓国が軍事演習を無期限に延期するよう要請します。それができれば、平和協議の実施に有利な環境を作り出すことに大きく貢献するでしょう。

 最終的には、平和の約束が実現されるなら米国もまた非核化の過程に取り組まなければなりません。会談が成功すれば、朝鮮は、核兵器を導入しないと約束することで原子力の平和利用を可能とした1970年の核不拡散条約(NPT)に再加盟することができます。私たちはまた、米国が約50年前に発効したNPTに敬意を払い、他の核兵器保有国との交渉を模索することによって核軍縮を追求する誠実な努力を行い、核兵器のない世界の約束を実現するよう要請します。1995年にNPTが無期限延長されたとき、米国は「核兵器の廃絶を究極の目標とし、核兵器を全世界で削減するため、系統的かつ段階的な努力を断固追求する」という約束を再確認しました。

 みなさんの会談は、北東アジア地域だけでなく、世界全体が最も望ましい結果に近づく可能性を握っています。韓国と日本が頼りにする米国の核の傘の必要性はもはやなくなるかもしれません。核兵器のない世界に向け、北東アジア非核地域が実現するかもしれません。

 会談の成功を願っています。

2018年3月28日

◆ケヴィン・マーティン ピース・アクション委員長
◆ジャクリーン・カバソ、テリー・ケイ UFPJ全国共同代表
◆ランディー・ウエンガルテン 全米教員連盟委員長
◆クワン・ナム ワン・コリア・ナウ全国コーディネーター
◆メディア・ベンジャミン コードピンク・フォ―・ピース共同代表
◆ゲリー・コンドン ベテランズ・フォー・ピース(平和を求める元軍人の会)委員長

など約200団体・個人

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