2018年04月27日 1524号

【議会を変える 大阪府枚方(ひらかた)市議 手塚たかひろ 市民の声を封じる指定管理】

 枚方市議会は、予算、決算は特別委員会を作って審議する。委員は会派から2人に1人。会派に属さない私は、予算、決算特別委員にはなれず、委員会での予算審議はできない。議員誰もが、予算または決算委員になれるよう毎年のように議長に要望書を提出するが、ほとんど議論されない。議会には、多数派に都合のいい非民主的な運営が多数残っている。改革の課題は多い。

 2018年度の枚方市一般会計予算は、昨年比42億円増の1378億円。生涯学習市民センターと図書館の複合6館への指定管理料約6億円が含まれている。指定管理者制度の下での委託費のことだ。

 そのため、本会議で一般会計予算案に反対討論した。

 生涯学習市民センターは、かつては公民館と呼ばれ、自治活動の拠点として多くの市民が利用し、市職員と共同の取り組みを行っていた。職員は市民の活動を支え、地域の声を大事にすることを学び成長した。図書館は、市民の学び知る権利を保障し、民主的な活動を支えた。心ある職員は生涯学習市民センターや図書館で学んだ市民の声を行政に生かす努力をしてきた。

 指定管理導入の拡大で地域の生涯学習市民センターや図書館から市職員が1人もいなくなる。地域の生の声を行政に反映させることができなくなる。それでも安上がりを目指すのが指定管理だ。

 もっとも、行政は市民の生の声を聞かず、地域の有力者の了解さえとれば、市民の声を聞いたことにしがちだ。しかし、有力者は必ずしも市民の声を代弁していない。

 地域の反対や異議申し立ての声を押しつぶす役割を地域の有力者に求めるケースが多々ある。行政と有力者との「癒着」とも言える構図だ。

 枚方市の美術館建設問題がその典型だった。公園を利用する多くの市民は建設反対にもかかわらず、市は、地域の有力者に建設推進の声を上げさせ、それを錦の御旗にして建設を強行しようとした。コミュニティ会長は賛成だから、反対するのは一部少数の市民。声を聞く必要はない≠ニ。このようなことはどこの自治体にもありそうだ。

 すでに報告したように、美術館建設は市民の力で止めた。市民運動が行政と一部有力者による地域支配を打ち破った。

 日常的に市民と接点を持ち、市民の声を受けとめる市の施設を民間に委ねてはならない。

 維新市長の推進する指定管理、民間委託、民営化の拡大は、行政と市民とを断ち切る。多くの市民を置き去りにした「市民共同」の名で、行政と一部有力者との癒着が進む。

 市民の自主的活動を支える市政に変えたい。 
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