2018年05月25日 1527号

【沖縄・南西諸島新基地阻止 奄美、宮古、石垣に自衛隊配備加速 辺野古、韓国の闘いに連帯】

4700人の集中行動

 沖縄県名護市辺野古キャンプ・シュワブのゲート前連続6日間500人集中行動が4月28日、終了した。6日間で延べ4700人の市民が参加し、ダンプカー600台分の砕石搬入を阻止した。搬入の完全な阻止はできなかったが、工事を遅らせたことは大きな成果だ。

 5月10日現在、ゲート前には連日40人以上が結集し座り込み行動を続けているが、1日300台を超えるダンプカーが入構している。5月16日にも500人大結集で工事車両を止めようと呼びかけが始まっている。

 集中行動に取り組んだ実行委員会が4月28日の参加者約800人にアンケートした結果が発表された。回答者の84%が県内在住であったことがわかった。ネット右翼などから「抗議しているのは県外の人だけ」と流されているが、実態は違う。辺野古新基地建設阻止の県民の意識が強いことが改めて証明された。

差別と排除の策動

 基地も核も戦争もない21世紀の世界を実現しよう―5・15平和行進≠ェ5月11日、沖縄島で2コースにわかれてスタートした。46年前の「5・15本土復帰の日」にかけて沖縄平和運動センターが長年続けている取り組みだ。本土からは旧総評系の多くの労働組合員が参加している。

 辺野古ゲート前では、沖縄防衛局がこの期間中のダンプカーによる搬入を中止した。平和行進警備に県警機動隊を配置するためゲート前の体制がとれないという理由だ。天皇訪沖時と同じように機動隊が特別な仕事に就くことが続けば、辺野古の工事もストップする。ここ数年、辺野古の警備に手をとられ、県警機動隊は人手不足だ。那覇空港内を警備する警察官も、全国からの応援体制で回しているのが実態だ。

 平和行進が終わった直後の5月19日、菅義偉(すがよしひで)官房長官が訪沖する。19日に名護入りし、渡具知(とぐち)武豊名護市長との会談をはじめ、北部12市町村長や辺野古、豊原、久志の久辺(くべ)3区長とも面談する予定だ。翌20日は、県内11市のうち、那覇市と南城市を除く「チーム沖縄」9市長や県財界人と会食する。来沖しても「オール沖縄」の那覇市長と南城市長には会わない。これが安倍政権の徹底した差別・選別・排除の政治手法だ。7月から予定されている辺野古埋め立て工事や、9月の県統一地方選、11月知事選に向けての密約を交わすものと思われる。

 一連の動きの前に、早急に安倍政権を打倒することこそ何より求められる。

ゴルフ場跡地を狙う

 韓国の星州(ソンジュ)ソソンリに配備された米軍THAAD(サード、高高度防衛ミサイル)。設置された場所は、ロッテ・スカイヒル星州カントリー・クラブというゴルフ場跡だ。韓国の国防部が買収した。現在、警察機動隊が寝泊まりしているのも当時キャディーさんらが寮として使用していた建物だ。

 ゴルフ場に新基地建設。宮古島の自衛隊対艦対空ミサイル部隊駐屯地も千代田カントリーというゴルフ場跡。弾薬庫は保良(ぼら)という採石場に決まったが、それまで近くのオーシャン・リンクスというゴルフ場が予定地と言われていた。一つの島に二つのゴルフ場を自衛隊の基地にするのは良くないとの政権幹部からの意見で変わったとされる。奄美大島に建設中のミサイル部隊も奄美カントリー・クラブのゴルフ場跡であり、石垣島に建設が狙われているミサイル基地予定地もゴルフ場だ。



 地方のゴルフ場はいま経営危機に陥っている。少子化、人口減に自動車保有台数も減少。ゴルフ離れには若者の低賃金、長時間労働も影響している。安倍やトランプのゴルフ好きは市民の生活とまったくかけ離れたものだ。

 経営難のゴルフ場に狙いを定め基地建設を計画する日韓両政府。人殺しの戦争をするための基地は何の跡地であっても絶対にいらない。韓国ソソンリの村民も宮古島や辺野古の住民も気持ちは同じだ。

 宮古島保良の弾薬庫予定地は、民家から200bも離れていない。「てぃだぬふぁ 島の子の平和な未来をつくる会」(石嶺香織、楚南有香子共同代表)は4月17日、会見を開き、「安全性が確保されないまま計画が進められている」「火薬庫などの爆発事故を想定した危険性評価に関する経産省の規定で実証実験が求められているが、防衛省はしていない」と批判した。

 奄美、宮古、石垣など南西諸島への自衛隊配備は急速に進められている。しかも最新鋭ミサイルへの転換という情報も流れている。

 韓国星州ソソンリ、宮古島、辺野古など現地で闘う住民との連帯と共闘で、東アジアに本当に武力のない平和な社会をつくろう。    (N)

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