2018年05月25日 1527号

【ZENKO日韓連帯ツアーに参加して 市民の闘いが平和をつくる】

国家暴力と戦争準備を止める市民の力

 日韓連帯ツアーで感じたことは大きく二つある。

 一つは、日韓両国で、国家暴力によって戦争準備が始まっていること。
 THAAD(サード)が配備されようとしている星州(ソンジュ)ソソンリの現場は、抗議する市民の何十倍もの警察が待機する物々しい場所だった。毎日、朝と夕方の工事車両搬入に合わせて抗議の座り込みをしているが、警察は無残にも圧倒的な暴力で排除しようとする。辺野古の基地建設と全く同じ状況が韓国で起こっていた。

 武器の名の下の平和という矛盾を暴力で押しつけるやり方に怒りを覚えた。

 密陽(ミリャン)の送電線建設も大量の警察を動員し、住民の意思を無視して進められた。金儲けのために国が命を蔑(ないがし)ろにする現場がそこにあった。

 もう一つは、それらを止めるのは市民の闘いの力だということだ。

 ソソンリの闘いは非暴力を徹底している。暮らしを壊された怒りをこめ、仲間と手をつなぎ、歌を歌い、笑顔で諦めずに闘う姿があった。

 月城(ウォルソン)原発周辺で運動している方は「福島原発事故があって原発の危険性に目覚め、立ち上がった」と話していた。日本の運動から学び、命を脅かす原発をなくすために日々闘っているとのことだった。

 私たちの辺野古新基地をつくらせない運動、憲法を変えさせない運動、原発を許さない運動、そして安倍を倒す運動が、同じ課題で闘う韓国の運動と結びつく。お互いの運動はともに学び合い、ともに影響を与え合っている。今こそ、韓国と日本の人間らしく生きる民主主義を求めるあらゆる闘いが手をつなぎ、東アジアの平和をつくる時だ。

(ZENKOユース T・K)

ここに反対の力 諦めないが勝つことに

 僕は今回初めての海外でした。印象に残ったのは、月城原発に行った時、一般人の出入りを制限する地域で家族連れが遊んでいる姿。衝撃的でした。なぜ政治家は原発の危険性を知らせないのだろうかと疑問に思いました。

 密陽の超高圧送電塔で建設を阻止するため命を絶った人の話を聞き、一生懸命活動をしている人がなぜ命を落とさなくてはいけないのか、正直分からなかったです。慶州(キョンジュ)では高レベル核廃棄物反対のためのデモにも参加しました。色々な人たちが見てくれていたので良かったです。

 星州のTHAAD配備反対の座り込みの現地では、警察官が10人以上いるテントが何か所かあり、現場にも数百人も警察官がいて、精神的に辛くなり涙がこぼれてきました。それは、沖縄・辺野古の情景と重なり、自分たちの意見がなぜ警察官に届かないのか、その悲しさに心が耐えられなくなったからです。しかし、そんな状況にも負けず頑張っている住民がいて、反対の力がそこにあると感じました。ここでも諦めないことが勝つことにつながると感じました。

 ツアーを通して、あらためて今現地で何が起きているかを多くの人に伝えることが大事だと感じました。

  (大阪市・佐々木好雄)



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