2018年06月29日 1532号

【「働かせ方大改悪」19日採決見送りに拍手/デタラメ審議で法案通すな/労働弁護団・過労死家族が緊急宣伝】

 過労死促進の高プロ(=残業代ゼロ)を含む「働き方改革」一括法案。政府・与党は国会会期を延長し、是が非でも成立させる構えだ。

 日本労働弁護団と東京過労死を考える家族の会は6月18日夜、東京・新宿駅西口地下広場で緊急街頭宣伝を実施。法案の国会審議の動画をパブリックビューイングで上映し、「デタラメ答弁は許されない」「高プロ廃案」と行き交う仕事帰りの人たちにアピールした。

 上映された動画は、過労死家族と面会するよう野党議員が求めたのに対し安倍首相が応じず加藤厚労相に代わって答弁させた場面など。“国会可視化プロジェクト”を進める法政大学の上西充子教授が解説を加えた。「ご飯論法」のはぐらかし答弁(「朝ご飯を食べたか」の問いに、パンを食べたことは隠して「ご飯は食べていない」と答える)を批判し、労働時間規制をすべて外す高プロは使用者にとっての「柔軟な働かせ方」にすぎないと警鐘を鳴らす。

 法案の危険性を追及してきた国民民主党の柚木道義、山井和則両衆院議員、共産党の山添拓参院議員、社民党の福島みずほ参院議員もかけつけた。福島議員が「“王様は裸だ”に“裸だっていう証拠を出せ”と言っているようなもの。ウソをついてはいけない。参院厚生労働委員会での明日(19日)の採決は見送られた」と報告すると、大きな拍手が起こった。

 NHK記者だった娘の未和さんを奪われた佐戸恵美子さんら過労死家族が次々とマイクを握る。「これ以上地獄の苦しみを味わう家族を増やしたくない」「亡くなったとたん会社は『個人の責任』。どんな悔しい思いをしたか」。声を震わせての訴えに、ハンカチで目をぬぐいながら聞き入る女性の姿もあった。

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