2018年07月06日 1533号

【1533号主張 東アジアの平和構築へ 逆行する安倍を日韓連帯で打倒】

進む米朝対話

 戦争挑発と危機扇動によって憲法9条破壊をもくろむ安倍政権をよそに、6月12日の米朝首脳会談以降、東アジアでの対話と平和への動きは逆行不可能な段階に進みつつある。米トランプ政権は、8月に予定されていた米韓合同軍事演習「乙支(ウルチ)フリーダム・ガーディアン」の中止に加え、向こう3か月以内の米韓合同軍事演習の中止も決定した。朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)では、メディアの反米宣伝ばかりでなく、首都ピョンヤンで販売されていた「反米グッズ」まで一斉に姿を消したとの報道もある。

 6月25日、朝鮮戦争開始から68年。半年前まで核兵器を背にののしり合っていたトランプ大統領と金正恩(キムジョンウン)国務委員長が直接会って握手し対話する。戦争状態から平和協定への確実な一歩だ。和平を妨害する韓国国内の保守派は孤立を深める。これが前進でなくて何だろうか。明らかに世界は変わったのだ。

安倍以外は会談を評価

 米朝首脳会談は「良かった」66%、首脳会談の結果に「大変満足」「ある程度満足」を合わせて71%。韓国での世論調査結果だ。朝鮮の非核化に懐疑的だった米国の世論調査でも、米朝会談を「名案だった」が70%、会談が朝鮮の核の脅威減少につながるとした人は51%と半数を超えた。米朝核戦争の危険性を「減らした」も39%に上る。米韓両国で首脳会談は明らかに支持を得ている。

 ところが、日本国内メディアは「非核化へのプロセス示されず」(読売)「薄弱な内容」(朝日)「政治ショー」(毎日)など、米朝首脳会談の内容を貶(おとし)めようとする悪意に満ちた報道を繰り返す。戦争国家確立と9条改憲の野望を持つ安倍と、戦争でぼろ儲けしたいグローバル資本がスポンサーのメディアにとって、東アジア平和の前進は決定的障害なのだ。

 安倍は、朝鮮に対しても拉致問題を条件に対話を拒否する。だが拉致被害者5人の帰国が小泉純一郎元首相と金正日(キムジョンイル)朝鮮労働党総書記との会談の結果であったように、拉致問題は日朝の直接対話なしには解決できない。そもそも膨大な数の朝鮮半島の人びとを強制連行し、朝鮮に対しては侵略戦争の謝罪も賠償もしていない日本。過去の清算と不可分である国交交渉の進展なくして拉致問題解決への動きも生まれるはずがない。

戦争屋たちは退場だ

 「独裁のためには敵が必要だ。彼らは敵を作って利用して支持を得てきた」。ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)が5月に開催した日韓連帯スピーキングツアーでのキム・ジョンヒさんの言葉だ。文在寅(ムンジェイン)政権が南北対話の一方でTHAAD(サード)(高高度迎撃ミサイル)配備を続け、トランプが新たに「宇宙軍」創設を指示したように、戦争を望む勢力はしぶとく策動を続ける。それでも好戦勢力を孤立・後退させ現局面を切り開いたのは韓国民衆、そして米国民衆の闘いの力だ。日本の市民もこれに続かなければならない。

 3000万署名でさらに市民との対話を広げ、地域から平和を作り出そう。7月28〜29日2018ZENKOin大阪を成功させ、国際連帯で改憲を止め、戦争屋・安倍を退場させよう。

  (6月25日)
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