2018年07月13日 1534号

【1534号主張 2018ZENKOin大阪へ 民衆の連帯で平和を築く】

経団連の要望「高プロ」

 6月29日、高度プロフェッショナル(高プロ=残業代ゼロ)制度の創設を盛り込んだ「働き方」関連法案が参院本会議で採決され、自公に加え維新、希望らの賛成で成立が強行された。断固、糾弾する。

 「高収入の一部専門職」を労働時間規制から外す高プロは、安倍首相が70年ぶりの大改革≠ニぶちあげる労働法制の根本的大改悪。「1日の労働時間は8時間」と定める規制を撤廃し、働いた時間と賃金の関係を一切なくす。労働基準法を死文化する蛮行だ。

 政府は「労働者のニーズに応えるもの」とアピールしてきたが、聞き取りはたった12人にすぎず、かつ厚労省の依頼した企業が選定する「ヤラセ」だった。朝日新聞調査では高プロを採用すると答えた企業も100社中6社にとどまる。労働者は「残業代ゼロ」など求めていない。

 追い詰められた安倍は「経団連の要望」と開き直り、労働法改悪が資本側の求めであることをあらわにした。法案の根拠とされた「労働者のニーズ」はでっち上げ―安倍政権は国会審議をここまで蔑(ないがし)ろにし、破壊した。過労死遺族は「これが日本の姿」「よもや過労死防止に逆行する法の成立を目の当たりにするとは思わなかった。悔しくてたまらない」と憤る。

 年収要件や業種は今後労働政策審議会の論議を経て省令などで決められる。あきらめてはいけない。労政審、厚労省へ怒りを集中し、高プロを廃止する闘いを強化しよう。

安倍のやるやる詐欺

 過労死遺族との面会はかたくなに拒否し続けてきた安倍だが、総裁3選のために拉致被害者や家族を利用する。「北朝鮮のほほえみ外交に騙されてはいけない」「最大の圧力を」と対話否定を繰り返しながら、米朝会談後は劇的な和平前進を無視しええず、日朝会談に「前向き」との姿勢をアピールしだした。

 しかし、拉致問題で「全員の無事帰還」「解決なしに国交正常化なし」と決裂前提の主張を変えない日本政府に、朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)は「日本はお金や揺さぶりでこざかしい策を働かせるのでなく、誠実な姿勢をもって過去の清算からしなければならない」と非難する。

 肝心の日朝会談について安倍は「8月9月までにやるのは難しい」と本音を漏らす。まさにやるやる詐欺≠セ。

 日本政府は朝鮮に対し非核化の具体的行動を求めるが、その前に自ら核兵器禁止条約に参加し、核燃料サイクルから撤退すべきだ。日本が核爆弾6千発に相当するプルトニウムを保有し抽出作業を今なお続けていることに、トランプ政権ですら「非核化に悪影響」と懸念を表明し、カントリーマン元米国務次官補は「朝鮮に核兵器保有の理由を与える」と指摘する。

 国会論議を破壊し、日朝交渉に不遜な態度を示し、正義も平和も踏みにじる安倍に政権に居座る資格はない。

ZENKOで国際連帯を

 画期的な情勢進展のまっただ中で開催される7・28〜29ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)in大阪。韓国、フィリピン、イラク、沖縄、福島から最前線で闘う人びとが参加する。世界の民衆とともに平和を拓き、新自由主義の転換を迫る運動方針を練り上げよう。

  (7月2日)
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