2018年07月20日 1535号

【議会を変える 大阪府枚方(ひらかた)市議 手塚たかひろ 許されない地震口実の一般質問中止】

 6月18日の大阪北部地震で、枚方(ひらかた)市も大きな被害を受けた。

 7月4日現在、建物被害の通報は3382件(全壊1件 半壊23件)。ブルーシートは2420件が配布された。5名の方が現在も避難所生活を余儀なくされている。

 小中幼稚園のコンクリートブロック塀の半数39か所の撤去建て直しが決まった。

 家具が倒れた、食器類が散乱し割れた、本が落ちてきたなどの被害は数知れず。市役所内の私の控え室では、倒れたロッカーの下敷きになった机が真っ二つに割れた。大きな余震があるたびに身構える日がまだ続いている。

 市は災害対策本部を立ち上げた。被災者支援、復興へ職員が全力で取り組んでいることは間違いない。しかし、高齢者等の安否確認が民生委員をはじめとする地域まかせとなっているなど市の対応の問題も見えてきた。それは別の機会に報告する。

 6月19日から22日の予定であった一般質問は、いったん日程を変更したが、一般質問の中止を共産党も含めて賛成多数で決め、7月2日、6月議会を閉会した。

 確かに地震対応で市職員は議会の質問に答える余裕は今はないだろう。「高槻や茨木も一般質問を中止した。枚方も中止を」と無会派の私にも事前に議長から打診があった。私は、日程変更をし一定落ち着いて一般質問を実施することが議会の責任だと提案した。

 「地震対策のため、議員のヒヤリングに付き合う時間は市の幹部にはない。震災対策支援に他市の職員の応援を受け入れているにもかかわらず、議員や職員が何日も質疑をして地震対策ができないことがあってはならない」。これが議会運営員会での中止支持の自・公・連合・維新・共産の5会派の主張だ。

 民主市民会派の議会運営委員は、会期の延長、一般質問の実施を求める発言。私は議決権はないが委員外議員として出席し、一般質問を行うよう急きょ発言した。

 本会議で私を含む5名は、会期延長、一般質問実施の緊急動議に賛成するが、否決。6月議会の終了(次期は9月)を数の力で押し切った。他方、公園や体育館の駐車場の有料化など市の提案は日程変更してすべて審議し、賛成多数で可決した。

 地震で忙しいとは口実だ。行政と議会多数派のなれ合いがある。自民改憲案の「緊急事態条項」の地方版だ。非常事態だからこそ議会のチェック機能がより求められる。市民の声を代弁し行政のチェックをする一般質問の中止は議会の責任放棄だ。許されない。

 議会変革の取り組みを市民とともに強めたい。
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