2018年07月27日 1536号

【1536号主張/災害も顧みない戦争国家いらない/カジノ・基地より命だ】

災害放置でばくち合法化

 安倍政権は、死者200人を超える西日本豪雨災害対応そっちのけでカジノ整備法案の審議を強行している。

 刑法犯罪の賭博を内外のギャンブル資本に解禁し、業者に資金貸付まで認める違法ずくめの悪法だ。数兆円規模のギャンブル市場が生まれ、カジノ業者から建設・不動産業者、警察庁(規制権益)など官僚機関に至るまで、巨大な利権が渦巻く。米国大手カジノ業者関係者によるカジノ議連の細田会長、岩屋幹事長、西村元事務局長(官房副長官)ら15人への脱法献金も明らかになった(7/12週刊文春)。

 その西村官房副長官は、大規模な避難勧告が出ていた時に安倍首相らが出席した酒宴の様子を喜々としてSNSに投稿し猛批判を浴びている張本人だ。「危機管理の専門家」と自称する政権中枢の存在が、災害時に全く役に立たない一方で、人の不幸で成り立つカジノの推進者の役割は全(まっと)うしている。

 安倍は、災害に便乗して新自由主義政策推進をも狙う。水道民営化法案だ。6月18日大阪北部地震で水道老朽化対策の遅れが注目されたのを好機とばかりに27日審議入り、翌週7月5日衆議院で強行可決した。水道を民営化した国では料金値上げや水質悪化が問題となり、再公営化の潮流が生まれている。今国会での強行を許さず、廃案に追い込まなければならない。

辺野古埋め立て承認撤回

 人命軽視の安倍政権は沖縄でも暴走している。辺野古で護岸工事を強行し、8月17日に土砂投入をもくろむ。沖縄防衛局は7月14日、米軍キャンプ・シュワブのゲート前で市民が座り込む場所に、新たな柵を設置した。抗議行動拡大を恐れ、市民を徹底的に排除する構えだ。

 しかし、あきらめることなく闘いは続く。海上でも、土砂投入区域の護岸接続を阻止しようとカヌー隊の懸命な直接行動が展開されている。翁長(おなが)知事による埋め立て承認撤回を求めて県民が県庁前に座り込み、埋め立ての賛否を問う県民投票をめざす直接請求署名も進んでいる。8月11日には、土砂投入阻止に向けた3万人規模の県民大会が開催される。1日も早い埋め立て承認撤回が県民の要求であり、全国からの連帯が必要だ。

軍事費を災害、福祉に

 「命よりカネ」の安倍をこれ以上政権に居すわらせてはならない。朝鮮半島情勢は戦争終結に向けて大きく動きだした。日中間でも、自衛隊と中国軍の偶発的な衝突を防ぐ「海空連絡メカニズム」運用開始など緊張緩和への動きが始まった。朝鮮・中国の脅威を煽り基地建設や軍備増強を進めることは許されない。すべての基地を撤去し、軍事費を災害対策や福祉に回そう。9条改憲を阻止し、憲法がうたう平和で人間らしく生きられる社会を実現しよう。

 朝日新聞世論調査(7/14〜7/15)でも5か月続いて安倍内閣不支持が支持を上回った。国会前をはじめ全国で安倍打倒行動が継続されている。市民・労働者の怒りを束ねれば安倍を退陣させることは可能だ。7月28〜29日、あらゆる闘いを合流させ、東アジアの平和構築に向けた国際連帯方針を打ち出すZENKOin大阪(第48回平和と民主主義をめざす全国交歓会)を成功させよう。

  (7月16日)
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