2018年08月10日 1538号

【1538号主張 辺野古新基地・軍事大国阻止へ 8・11沖縄県民大会に連帯】

埋め立て承認撤回

 7月27日、翁長(おなが)沖縄県知事は辺野古埋め立て承認撤回を表明し、手続きを開始した。

 その理由を「新事実が出て環境保全や災害防止の要件をみたさず公益にならない」と説明。(1)環境保全対策を行わずに工事着手(2)埋め立て地域に軟弱地盤と活断層が存在(3)新基地周辺の建物が米国防総省の航空機安全航行の高さ制限に抵触(4)「新基地ができても米側との協議が整わなければ普天間飛行場は返還されない」の国会答弁で返還のための新基地建設という埋め立て理由が成り立たなくなったこと―と明らかにした。承認撤回は法的にも全く正当だ。道理は県の側にある。大手メディアでさえ「目にあまる政府の背信」(7/28朝日社説)と国の不当性を指摘する。

 しかし、安倍政権は「工事を進める」(菅官房長官)として、県の決定に従うことなく不当にも8月17日からの埋め立てを強行する構えだ。

アジア平和に逆らう安倍

 翁長知事は、東アジアの緊張緩和にふれ、「20年も前の(新基地建設)決定を見直すべき」と政府を痛烈に批判した。敵地攻撃能力を持つミサイルや空母まで保有する軍隊(自衛隊)を増強し新基地建設を推進する安倍は、平和進展に逆行する脅威だ。

 朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の非核化が「遅い」「だまされるな」と政府やメディアはあおる。だが、海外からは日本のプルトニウム大量保有=核大国化の方が厳しい批判をあびている。

 日本はプルトニウム47d、原爆に換算して6千発分をため込んでいる。7月、日米原子力協定自動延長の過程で米政府元高官は、朝鮮半島の非核化に悪影響をおよぼす懸念を表明した。朝鮮が保有するプルトニウムは約50`、原爆10個分といわれ、日本は数百倍の脅威だ。中国は日本の「核大国」批判を繰り返し、韓国やサウジアラビアは日本のようにプルトニウムを保有させろと不満を口にする。国際的批判に押され、政府は核兵器保有の衝動をかかえながらもエネルギー基本計画(7/3)で初めてプルトニウム削減に触れざるをえなくなった。

 核保有を志向し軍事大国化に突き進む安倍を倒すことは、平和構築と核なき世界の実現につながる。

国際連帯の強化で

 8月から秋以降、沖縄を焦点に、平和構築を大きく前進させるかどうかの正念場となる。ZENKOin大阪(第48回平和と民主主義をめざす全国交歓会、7/28〜7/29)は、沖縄、韓国、フィリピン、イラクをはじめ全国の市民とともにこの平和構築を国際連帯で闘うことを確認した。

 埋め立て承認撤回から工事中止を現実にし、11月沖縄県知事選を勝ち抜く闘いの強化が問われる。8月11日県民大会を大きく成功させよう。代表派遣、連帯行動に取り組もう。「『辺野古』県民投票の会」は署名が10万979人(有権者の8・72%)に達したと発表した(7/30)。この重みを全国で共有し、県民投票成功へ進もう。韓国のTHAAD(サード)(高高度防衛ミサイル)配備撤回の闘いに連帯し、南北・米朝会談の合意である朝鮮戦争終結を実現させよう。

 平和の妨害者・安倍内閣の打倒こそ東アジアの平和を望むすべての市民の責務だ。

  (7月30日)
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