2018年08月10日 1538号

【2018ZENKOin大阪に900人/あきらめなければ勝つ/東アジアの平和 つくるのは私たち】

 7月28〜29日、2018ZENKOin大阪(第48回平和と民主主義をめざす全国交歓会)が開かれ、のべ900人が集った。東アジアの平和・非核化を実現する道は、命と人権を守り、差別・排除を許さない市民の国際連帯を強めること、と高らかに宣言した。《2・4〜6面に関連記事》

顔が浮かぶ市民の連帯を

 今年の全交参加者が共通に抱くのは、朝鮮半島情勢の大きな変化への歓迎と期待だ。

平和への劇的変化受けて

 田中拓真実行委員長が提起した基調には「冷戦構造に終止符を打ち、朝鮮戦争終結から平和協定締結へ確固たる和平を構築しようとしている」と記された。朝鮮総聯大阪府本部からは「劇的な変化。新しい歴史を歩み始めた」と連帯あいさつ。沖縄・宮古島「てぃだぬふぁ 島の子の平和な未来をつくる会」の当真まり子さんは「南北首脳がにこにことラインを越えるのを見て、変わるんだねぇと。(27日夜の)キャンドル行動に参加できてよかった。一つになれると分かった」と話す。

 安倍9条改憲NO!3000万署名の全交集約分が3万7352筆と発表され、各地からのリレートークでも「流れは変わった。こんなに署名が集まったのは初めて」(京都)「朝鮮学校から185筆返送された。安倍の暴走批判に共感が得られた」(東京・北部)などの発言が相次ぐ。

 変化を定着させ、東アジアの平和確立へと結実させる力は市民の闘い以外にない。社民党大阪府連代表の服部良一さんは「市民が傍観者になってはいないだろうか。平和をつくるのは私たちの仕事。改憲も辺野古新基地も必要ない」と力を込める。MDS(民主主義的社会主義運動)委員長の佐藤和義さんは「安倍はなぜ居座っていられるのか」と問い、「何を言ってもムダと諦めさせる。これを突破しなければならない。展望を持って闘おう。米英では社会主義をめざす勢力が前進している」と回答を示した。

マイノリティ差別許さない

 海外ゲストは、立ち向かうべき新たな課題を挙げる。韓国・代案文化連帯のユ・ミヒさんは「“アカ”が去ったあと、女性や障がい者、LGBT(性的マイノリティ)にヘイトが向けられる」と警鐘を鳴らす。同ビョン・ヒョンジュさんは「ろうそく革命は本当の革命ではない。腐敗・積弊(長い間に積もり重なった害悪)は残っている。政権に頼るのではなく、民衆自らの力で解決したい」と語った。

 「居住の権利は人権。欧米諸国の政策が原因で母国や元の住まいを離れた移民・難民の苦しみを終わらせなければならない」と指摘したのは、イラク労働者共産党書記長のサミール・アディルさん。THAAD(サード)(高高度防衛ミサイル)配備と闘うカン・ヒョンウクさんは「イエメン難民を済州(チェジュ)島に受け入れるなという請願に70万人が賛同した。ろうそく革命は“私たち”という存在を悟ることによって完成する」と投げかける。

安倍打倒、辺野古阻止へ

 2日間の議論は10項目の重点方針と13本の分科会決議にまとめられた。

 重点方針のトップは「板門店(パンムンジョム)宣言、米朝共同声明を履行させ、朝鮮半島の非核化、東アジアの軍縮・基地撤去、平和構築のための国際連帯を強めよう」。分科会決議には、米朝共同声明を歓迎し非核化・基地撤去を求める新たな署名活動や、人種差別・ヘイトスピーチを許さない教育活動、朝鮮学校の無償化排除をやめさせることなども盛り込まれた。日朝交渉に関連して、日本製鉄元徴用工裁判を支援する会の中田光信さんは「日本の植民地支配責任を明らかにし、被害者の人権回復がなされてこそ真の国交回復になる」と強調した。

 3000万署名の拡大、安倍内閣退陣、9条改憲阻止とともに、辺野古の新基地建設、南西諸島への自衛隊配備、韓国・星州(ソンジュ)のサード配備阻止も重点方針の柱だ。沖縄平和市民連絡会の上間芳子さんは「安倍政権よりも一日長く闘うことが基地をつくらせない方法。沖縄を戦争の犠牲者にも加害者にもさせない。バスを出し、辺野古へ送り迎えするので、県外からも大勢の人が来てほしい」とアピールする。

 「憲法生かす地域変革運動、市民派自治体議員を増やそう」の決議には、「自治体の正規職員増員で防災機能の強化など市民の命と暮らしを守ろう」とある。西日本豪雨災害に遭った広島の日南田成志さんは「日本に1台しかない(全地形対応車)レッドサラマンダーは1億1千万円。イージス・アショア1基分で、すべての市に配備できる」と訴え、共感を集めた。

 来年1月、「日韓連帯ユース参加団inOKINAWA」が取り組まれる。全交ユースのKさんは「日本と韓国の若者は同じ問題を抱えている。人間らしく生きたい。命に向かう連帯をつくりたい。連帯とは、苦しいとき目をつむると同志の顔が浮かぶこと。種を植え、育て、大きく広げていきたい」と決意を語った。

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