2018年08月17日 1539号

【新生☆福島歌舞団がやってきた 交流から見えた新たなステージ 21年目の「月桃の花」歌舞団 ZENKO交流会】

 7月29日、ZENKOin大阪(第48回平和と民主主義をめざす全国交歓会)での全国交流会には、約40人の歌舞団員や歌舞団サポーターが集まった。福島の大藤さんは今年のミュージカル「ガマ人間あらわる」福島公演直後に関東歌舞団に入団した。会場では手踊りを通した福島歌舞団建設に向けて語った。岡山から参加した女性は「私のような人を増やして」と発言した。また、関東関西とも若手の新人紹介があり、盛り上がった。9月には浦安公演、12月には大津公演と続く中、新たな団員を迎えて、歌舞団のこれからが頼もしくなった。

手踊りで国内巡る

 今回の目玉は、今年の5月の福島公演後歌舞団員となった大藤さんの報告だ。歌舞団との出会いの始まりは、2017年の郡山公演。「避難せずに残っている地元のことを思っていない」と当初は「ガマ人間あらわる」に好感が持てなかった。しかし、福島沖縄まつりや福島公演に向けたストリートライブ、公演本番で手踊りをしていく中で団員との交流も深まり、次第に自分自身が変化したという。

 今回の福島公演では、福島のことを思っていると感想を述べていた。福島歌舞団建設に向けて、手踊りを通して人を増やしていきたいと彼女の目は希望に満ちていた。毎日15分間手踊りのDVDで自主練習も欠かさない。福島公演以降は、岡山公演に出演し、浦安公演、大津公演にも意欲がある。まさに、福島歌舞団の北極星≠ニ言えるだろう。

ネット宣伝で新たな出会い

 岡山公演を担った女性は「私のような人を増やす」ことが大事と発言した。公演の成功は、地元の協力度合いにかかっていることを伝えたかったのだと思う。

 歌舞団との出会いは、SNSだ。岡山公演担当の廣田さんがFacebookを通して「友達」になり、公開リハーサルを観て実行委員会のメンバーになった一人だ。彼女は非正規の郵便局員だ。ブラックな職場の現状と「ガマ人間あらわる」が繋がり、共感したという。ネット社会の今日、SNSを通じて交流の輪を広げることも大事だと思った。

東西で新人あらわる

 関西には新顔もいた。関西エイサー隊の堀くん。入団の経緯が面白い。関西歌舞団の若林さんの職場の後輩で「エイサー練習の後、ラーメン屋にも行くよ」と誘われ、エイサーを体験、入団という運びになったという。

 実は、関東でも、私の後輩から飲みに誘われ、その前に稽古があるから見ていかないかと声をかけ、日本兵の役が不足していることから、そのまま出演、入団という流れとなった。似たような経緯で入団した東西の新人どうし仲良くなったらいいなとも思った。

浦安公演公開練習へ

 私は、浦安公演の担当として7月公開練習の成果と課題を報告。公開練習後の感想交流会は盛り上がり、若い男性は「労働のシーンが良かった。以前働いていた職場を思い出した」。女性からは「芝居を見て泣くことはないのですが、社会情勢を照らし合わせて、色々なものが浮かんできてじわーっときた」と観客のほぼ全員から発言があった。また、観客のうちの2名がエキストラに参加し、うち1名が団員になった。課題は参加人数だ。目標を30人としていたが、実際のところ、参加は17人にとどまったことが非常に悔しい。マスコミや避難者団体、労組の参加も叶わなかった。

 次回8月19日(日)14時から浦安市美浜公民館音楽室での無料の公開練習では、宣伝の輪を広げ、参加30人、チケット預かり20枚超えを目指し、本公演の成功の礎としたい。

 実りのあった今回の東西歌舞団の交流を浦安公演の成功につなげていく。

(「月桃の花」歌舞団 東日本公演担当 竹内雄紀)

◆ミュージカル「ガマ人間あらわる」浦安公演

9月23日(日)13:30開演 浦安市民プラザWave101 チケットはinfo@gkabudan.jp



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