2018年08月17日 1539号

【ともに生きる未来を フィリピン・ABAKADA30周年 ピースコンサートに150人】

 7月21日、創立30周年を迎えたABAKADA(アバカダ)(フィリピン・マニラ首都圏貧困地域の就学前教育施設)の子どもたちを支援するピースコンサートが大阪で開かれ、18団体の出店、約150人の参加で心温まる空間が創り出されました。アバカダの支援金も多く集めることができました。ありがとうございました。

 2年ぶりの出演となった獅子舞やフィリピンのダンスを踊った子どもたちは、表情にも成長ぶりがうかがえます。彼らの紹介で登場したアバカダ代表の音楽家ポール・ガランさんは、フィリピンと日本の軍事化の下、虐げられている市民への思いを歌いあげました。移住労働者として海外で祖国の家族を思う気持ちを込め、また、福島の原発事故やドゥテルテ政権の超法規的殺人の犠牲になった人びとに思いを馳せる歌声に、参加者は力強さを感じました。

 初参加の方からも「異国の地で家族を思った歌には涙しました」「福島のことを思ってくれてありがとう」「ポールさんのソリダリティーの言葉が心に残り、これだと思いました」などの声が。

 シンガーソングライターの阿部ひろえさん、サックス奏者Swing MASAさん、「月桃の花」歌舞団なども、安倍政権の「命よりカネ」の政策下で苦しむ人びとへの思いを「NO!BASE! NO!NUKES!」と熱く演奏。コミュニケーションを取りづらいネットバンドの青年たちは、「彼らを知ってもらうことが社会への問題提起」と常々語るMASAさんとのコラボで、ベースやキーボード、ドラムに自分ならではの音色を重ね合わせます。ペルー出身のジョナタンさんは「18歳の時親友の交通事故死がきっかけでどんな貢献ができるかと考えて音楽の道へ。教育を平等にとのポールさんの思いは大事にしたい」と語り、友の好きだった歌を情感豊かに歌いました。

個性をありのままに

 「色鉛筆の箱を開けたようなコンサート」と感想が寄せられたように、演奏者の個性をありのままに表現した「ともに生きる未来を」のコンサートとなりました。すべての参加者が丸ごと受けとめ合える場になれば、そんな願いが少しでも伝わったかなと参加者の表情から感じ取ることができました。

 フィリピンで学び続ける機会を手にした青年たちは今、縫製者や幼稚園の先生となり、アバカダで活躍しています。彼らが何年も継続して貧困と向き合い、アバカダの子どもたちをサポートし続けている。支援してきたAKAY(アカイ)日本はそこに展望を見いだしています。日本の青年たちも刺激を受け始めています。日比の子どもたち、青年たちと向き合いながら、アバカダの教育と生計自立を支え、平和を願い改憲NO!を訴える活動は、草の根で続きます。ともに生きる未来をめざして。

(AKAYピースコンサート実行委員会・古武家<こぶけ>育子)

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