2018年08月17日 1539号

【日韓市民の力で東アジア平和地帯へ 移民排斥、マイノリティ差別許すな 重要なオルタナティブ・メディア 苦しいとき顔が浮かぶ同志としての連帯を】

 全交の分科会では、海外ゲストを交え、安倍打倒・9条改憲阻止・東アジア平和地帯実現へ国際連帯を強化していく方針が議論された。

 イラク労働者共産党のサミール・アディルさんは「アフガニスタン戦争やイラク戦争の時と比べると世界の反戦運動は弱体化した。なぜか」と問題提起。「IS(「イスラム国」)に代表されるテロの恐怖があおられ、“敵は資本主義ではなくテロリスト”とすり替えられたからだ。この全交大会の場から世界の反戦運動を再構築しよう」と呼びかけ、レイシズムと移民・難民排斥に立ち向かう闘いの重要性を強調した。

 「安倍が権力を握っている限り、朝鮮半島の平和は来ない」と糾弾するのは、THAAD(サード)(高高度防衛ミサイル)配備と闘う韓国・星州(ソンジュ)のカン・ヒョンウクさん。「韓米相互防衛条約に基づくSOFA(在韓米軍地位協定)を根拠にサード配備に国会同意不要とする主張は、外国軍隊の駐留に対する国会の同意権を定めた韓国憲法60条に違反する」と日米安保・地位協定にも共通する問題を指摘した。

 代案文化連帯のユ・ミヒさんは韓国民衆運動の歩んだ道を「李承晩(イスンマン)政権を倒した1960年の4・19革命、80年5月光州(クァンジュ)民衆蜂起、87年の6月民主抗争、02年米軍装甲車女子中学生轢殺(れきさつ)への抗議、08年狂牛病ろうそくデモ、14年セウォル号沈没真相究明運動―命がけの闘いが続いた」と振り返るとともに、今日的課題として「排除と嫌悪の文化を変えなければならない。共存する文化をつくり出す文化闘争、そのためのメディアが必要だ」と語った。

 オルタナティブ(代案)メディアをめぐってはカンさんも、ろうそく革命でSNSが果たした役割を問われ、「生活に忙しい人は日常の出来事と政治をつなげて考えるのが難しい。そこで活用されたのがポッドキャスト(インターネットラジオ)。政治の問題をわかりやすく解説し、“これは自分の問題だ”という認識を広めた」と答えた。

 各地域から、3000万署名達成に向けて街頭や全戸訪問などで対話を広げ、行動する仲間を増やしてきた取り組みが報告される。報告を聞いた韓国のゲストは、「平和の問題に対して自分たちの生活のすべてを投入して活動するみなさんの姿に、私たちも決意を新たにした」(カンさん)「みなさんの地域での活動は大衆の巨大な水の中をぬって泳ぐ魚のような活動だ。日常の誠実な活動は韓国よりすばらしい」(ユさん)と感想を述べた。

 安倍の戦争政策を転換させる「米朝共同声明を歓迎し東アジアの非核化と基地撤去を求める署名」(仮称)、来年1月「日韓連帯ユース参加団in沖縄」が決議に盛り込まれた。全交ユースのKさんは「沖縄への理解を深める学習会、韓国語講座などで若者の組織化を進めたい。連帯とは、闘う中で苦しいときに目をつむると同志の顔が浮かぶこと。そんな連帯をつくりたい」と意気込む。代案文化連帯のビョン・ヒョンジュさんは「目をつむれば顔が浮かぶという言葉が心に響いた。平和をめざして実践するとき、日本でイラクでフィリピンで活動する同志の顔が浮かぶと、力を得て闘っていける」と応じた。



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