2018年08月31日 1540号

【「ヤスクニの闇に光を」キャンドル行動/「明治150年」を問う―歴史を殺すな】

 「平和の灯を!ヤスクニの闇へ」キャンドル行動が8月11日都内で開催され、400人が参加。シンポジウムや証言、コンサート、キャンドルデモで「靖国合祀ノー、東アジアに平和を」と訴えた。

 13回目の今年のテーマは「『明治150年』とヤスクニ、そして改憲」。

 シンポジウムで高橋哲哉東大教授は11月3日を「明治の日」とする動きにふれ、「11月3日は日本国憲法公布の日だが、同時に以前は明治天皇の誕生日=“天長節”の休日でもあった」と批判する。

 韓国のクォン・ヒョクテ聖公会大学教授は、パク・クネ前政権の「慰安婦」合意(2015年)と軍事情報保護協定(16年)は「(日韓条約・請求権協定の)65年体制」と同様に「安保のために歴史を殺した」ものだと指摘。「ムン・ジェイン政権の誕生と南北対立緩和の可能性の台頭はその『65年体制』の危機であり、法的責任を否定したお詫び≠通じて『65年体制』の延命を図った『95年体制』の危機をも意味する」と述べ、「靖国、『慰安婦』など歴史問題解決の努力が平和秩序構築の最も重要な要素。安保を殺し歴史を生かさねばならない」と訴えた。

 遺族の証言は、父が強制連行され靖国神社に合祀されているイ・ミョングさん。「父が1943年に徴用されてから4年の間に、祖父・祖母・母・弟が亡くなった。なぜ、植民地支配を反省しない安倍首相らの参拝を受けなければならないのか。私の家族を冒涜する行為だ。一日も早く父を靖国から解放し、私もこの苦痛の中から抜け出したい」

 今年のキャンドル行動では司会や歌、デモと多くの若者が活躍した。大阪の朝鮮学校と交流する韓国の学生たちは、歌詞を書いたプラカードを掲げ、「光は闇に負けない」と元気に合唱した。

 コンサートのあとは、靖国神社に近い九段周辺をキャンドルデモ。例年のように右翼団体が妨害に入ったが、デモ隊の人数が圧倒した。

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